2023 Fiscal Year Research-status Report
Mixed cytokine therapy for a stage of preproliferative retinopathy of prematurity
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21K20780
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
中沢 陽子 名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(医学), 准教授 (50912953)
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Project Period (FY) |
2021-08-30 – 2025-03-31
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Keywords | 未熟児網膜症 / 肝細胞増殖因子 / α1酸性糖タンパク / サイトカイン療法 / 生理的血管形 |
Outline of Annual Research Achievements |
未熟児では、正常児と比較して血清中サイトカインが上昇していることが多いが、血清肝細胞増殖因子(HGF)については低下していることがわかってきた。HGFは血清α1-酸性糖タンパク(α1AG)の産生を抑制する働きがあるが、重症未熟児網膜症症例では、α1-AG が増加していると思われた。臨床的に重症未熟児網膜症症例にα1-AG が増加発現亢進していることについて、臨床的解析を進めα1AGを用いた診断式を完成した。 HGFは正常血管発育をうながすサイトカインであるが、これが重症未熟児網膜症症例で低下していることは、血管発育を抑制する可能性が示唆される。 血管形成に関与するHGFの眼内有効濃度が、IL-6、IL-1などほかのサイトカインに影響をあたえることが推測されているが、それぞれのサイトカインが網膜細胞からも分泌されていることから、HGFを硝子体内に投与すると、炎症反応が烈起されている可能性もあり、有効濃度の確定は難しい。 サイトカイン濃度変えることで、human retinal microvascular endothelial cells (HRMECs)の生存曲線を模索している。 HRMECsにインピーダンス法で負荷をかけた際の、単独添加後のHRMECsのmRNAについて、quantitative PCR法で基準値を得たのち、サイトカインカクテルの、血管形成につながる有効な濃度の模索をすすめるところである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
サイトカインカクテルの組み合わせについて、有効な濃度調整が難しいのと、ヒト網膜血管内皮細胞の発育が、色素上皮細胞のように安定しないことが、in vitro実験での進行のさまたげとなった。 OIRマウスについては、多研究との共同運営で、作成が続けられる予定。
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Strategy for Future Research Activity |
in vitro実験に時間をかけたが、サイトカインについてはカクテルの目安ができ、マウスへの投与経路について模索している。 硝子体内では出血などで炎症反応が裂起され、サイトカインの活動がマスクされる危惧が考えられた。 マウス投与を腹腔内からに置き換えて、眼内サイトカインの増加が影響しない方法を考える予定である。
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Causes of Carryover |
in vitroのサイトカインの実験について、細胞の継代につとめ、in vitro実験のみに予算が偏らないよう工夫した。残予算は、マウスによるin vivo実験が主軸となるが、結果の再現性を高めるために実験回数を増やすので、試薬の購入に費用を要する。 また、英文雑誌への投稿費として執行する予定である。
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