2022 Fiscal Year Annual Research Report
若年者子宮内膜癌の癌細胞転位分化起点シグナルの同定と妊孕性温存療法への応用
Project/Area Number |
21K20781
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Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
横井 愛香 北里大学, 医学部, 助教 (90907148)
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Project Period (FY) |
2021-08-30 – 2023-03-31
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Keywords | 子宮内膜癌 / morule / PTEN過剰発現 / EBP50 / β-catenin |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は「MPA療法による子宮内膜癌細胞からmorule細胞への転位分化起点シグナルとして、ER/EBP50の発現消失による細胞極性の消失と、引き続き活性化されるβ-カテニン/PTEN経路が重要である」という仮説を立証することを目的としている。子宮類内膜癌臨床検体100症例では、免疫組織化学的検討にて、悪性度に相関してEBP50は細胞膜発現が低下していた。morule巣では、EBP50、ER発現の低下、PTEN過剰発現、β-カテニンの核内移行を示し、PTEN、β-カテニン関連因子であるp-Aktは低下し、GSK3βは増加していた。更には、癌幹細胞マーカーCD44、CD133、ALDH1や上皮間葉転換(EMT)マーカーTwist1の発現増加が認められた。次なる段階として、morule巣を再現するため、子宮類内膜癌細胞Hec6細胞株を用いて、PTEN過剰発現系細胞株を作製した。PTEN過剰発現することで、細胞形態は紡錘形を示し、E-cadherin発現低下、Slug発現増加を示したことから、EMTが起きていることが示唆された。また、GSK3β活性は抑制され、リン酸化β-cateninは低下していたことからβ-cateninの分解が抑制されていた。さらには、増殖能は低下しており、その要因として、老化細胞が増加していたこと、アポトーシスが誘導されていることが分かった。臨床検体の結果より、癌幹細胞化について検討した。PTEN過剰発現細胞ではCD44、ALDH1発現が増加しており、臨床検体の結果と相違無い結果であった。ALDH活性を示す細胞は増加し、spheroid形成を示し、癌幹細胞化の現象を認めた。子宮類内膜癌において、PTENが過剰発現することで及ぼす影響について明らかとなった。
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Research Products
(3 results)