2023 Fiscal Year Research-status Report
免疫チェックポイント分子B7-H3とオートファジーの共制御による尿路上皮癌の抑制
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21K20783
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Research Institution | Azabu University |
Principal Investigator |
小山 雄一 麻布大学, 生命・環境科学部, 講師 (70907998)
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Project Period (FY) |
2021-08-30 – 2025-03-31
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Keywords | 免疫チェックポイント分子 / NK細胞 / 尿路上皮癌 |
Outline of Annual Research Achievements |
尿路上皮癌は泌尿器系において最も頻度の高い癌である。近年、進行性の尿路上皮癌に対する新規治療薬として免疫チェックポイント阻害剤(ICI)が注目されている。しかしながら、尿路上皮癌に対して国内で承認されているICIは抗PD-1/PD-L1抗体のみであり、投与症例の70-80%では十分な治療効果が得られない。そのため、新規治療標的の確立やより効果の高い治療戦略が求められている。 これまでにマウス膀胱癌由来の細胞株およびマウス脾臓より分離したNK細胞を用いた実験系でICIの効果を解析してきた。当該年度に得られた実験結果は次の通りである。①尿路上皮癌細胞株(MBT-2)の細胞表面における免疫チェックポイント分子(PD-L1、CD155、B7-H3、CD200、Galectin-9 )の発現をフローサイトメトリーで解析したところ、PD-L1およびCD155が高頻度に発現していた。PD-L1発現はIFN-γ処理によって増強したが、CD155発現は変化しなかった。②MBT-2のPD-L1およびNK細胞上のTIGIT(CD155のリガンド)を特異抗体(抗PD-L1抗体、抗TIGIT抗体)でブロッキングした後、共培養系でNK細胞活性の変化を調べた。コントロール群と比較して抗PD-L1抗体、抗TIGIT抗体処理群では、NK細胞上におけるCD107aの平均蛍光強度(MFI)が増加し、NK細胞の活性化が示唆された。③上記と同様の実験系を用いて、エクソソーム阻害剤(GW4869)が免疫チェックポイント阻害剤の効果に及ぼす影響を解析した。GW4869処理群ではコントロール群と比較して、NK細胞のCD107aが増加した。MBT-2によるエクソソーム生成がICIの効果あるいはNK細胞活性に関与していることが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
これまでに膀胱癌細胞株とNK細胞の共培養系を用いた実験の条件が決定し、各種免疫チェックポイント抗体の効果を調べることができた。現在はオートファジー阻害剤およびエクソソーム阻害剤の併用がどのような影響を及ぼすかを調べている。
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Strategy for Future Research Activity |
膀胱癌細胞株におけるオートファジーおよびエクソソーム生成がICIの効果に及ぼす影響について詳細に解析していく。NK細胞活性については脱顆粒マーカー等の指標でも評価を行い多面的に解析する。
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Causes of Carryover |
当初の実験計画の遅れにより、試薬等の消耗品購入が予定よりも少なかったため。残額分でNK細胞活性の測定キットやフローサイトメトリーの抗体を購入する。
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Research Products
(2 results)