2021 Fiscal Year Research-status Report
IFNA-STAT3 axisの制御と免疫治療の併用による革新的膵癌治療の開発
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21K20790
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
井上 亨悦 東北大学, 医学系研究科, 大学院非常勤講師 (30912711)
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Project Period (FY) |
2021-08-30 – 2023-03-31
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Keywords | 膵癌 / 腫瘍免疫 |
Outline of Annual Research Achievements |
膵癌の腫瘍免疫を評価するために、マウス由来の膵癌細胞株を用いて、IFNAR1 knock down cellを作成し、FVB/NJclマウスの膵尾部に同種移植する(sh-controlおよびsh-IFNAR1)。マウスを2群に分けて治療し、マウスの生存期間を評価する。本実験では、Anti-PD-1 (Programmed cell death 1) antibodyとAnti-CTLA4 (cytotoxic T-lymphocyte antigen 4) antibodyの二種類のICBを用いる予定である(2021年度の研究)。
二種類のマウス由来の膵癌細胞株を用いて、IFNAR1ノックダウンを樹立し、マウスに樹立した細胞を移植して、腫瘍の増殖を評価した。IFNAR1の高発現しているAK4.4では、IFNAR1ノックダウンは腫瘍の増殖を抑制し、pilot studyと同様の結果を得ることができた。しかし、surivivalでは、IFNAR1ノックダウンの効果は認められなかった。このモデルでは、ほとんどのマウスが、血性胸水で死亡しており、IFNAR1ノックダウンは、腫瘍の増殖は抑制するものの、遠隔転移を制御できない可能性が示唆された。 IFNAR1が低発現のKPCでは、IFNAR1ノックダウンは、腫瘍の増殖及びsurvivalに関与することはなかった。この結果は、予想された結果であった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
予定していた2021年度の研究は達成した。
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Strategy for Future Research Activity |
①Anti-IFNAR1 antibodyがICBの効果を増強するかを評価する。臨床応用の可否を評価するため、genetic IFNAR1 inhibitionに代わり、Anti-IFNAR1 antibodyを用いて、ICBとのcombination therapyの効果を①と同様の手法で評価する(2022年度の研究) 。Anti-IFNAR1 antibodyは腫瘍細胞の他に、癌微小環境を司る細胞にも効果がある可能性があり、genetic ノックダウンよりも、腫瘍制御の効果が高いことを期待している。
③Anti-IFNAR1 antibodyとICBの相乗効果のメカニズム解析。Time matched studyを行い、腫瘍サンプルを採取し、Western blot法で腫瘍内のSTAT1, 3, 5の活性を評価する。また免疫組織学的染色を用いて、腫瘍内における細胞障害性T細胞の分布を評価する(2022年度の研究)。
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Causes of Carryover |
研究室に既存の物品を使用することができたため、今年度使用額をやや抑えることができた。翌年度の実験で使用するマウスの数を増やして、実験を行う予定で、繰り越し分を使用する予定である。
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