2022 Fiscal Year Research-status Report
ゲノム解析による膵・胆管合流異常の進化系統学的発癌機序の解明
Project/Area Number |
21K20794
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
高橋 幸治 千葉大学, 医学部附属病院, 助教 (40907680)
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Project Period (FY) |
2021-08-30 – 2024-03-31
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Keywords | 膵・胆管合流異常 / 胆管癌 / 胆膵癌パネル / multiplex PCR |
Outline of Annual Research Achievements |
膵・胆管合流異常は、膵管と胆管が十二指腸壁外で合流し、膵液と胆汁が相互に逆流しうる先天性の形成異常である。非常に高率に胆道癌を合併し、小児を含む若年での発癌も認められるため、発癌メカニズムの解明は喫緊の課題である。膵・胆管合流異常についてのこれまでの検討では、膵液の胆道への逆流が炎症を惹起し、慢性化することで発癌する可能性が推定されているものの、詳細な発癌メカニズムは不詳である。また、胆管径により先天性胆道拡張症と胆管非拡張型の2型に分類され、予防的切除の規範となっているが、両者の胆道粘膜に相違があるかは解明されていない。本研究は、ゲノム異常の観点から膵・胆管合流異常の発癌機序、治療戦略の確立を目指すものであり、さらには治療標的遺伝子異常の同定を含め、膵・胆管合流異常の予後改善を実現することを目的とし、膵・胆管合流異常と胆管癌の手術検体を用いて、研究を進め、膵・胆管合流異常の発癌メカニズムを解明し、治療戦略の最適化を図ることを目的としている。膵・胆管合流異常例、胆管癌例の切除検体の癌部、非癌部(過形成、化生、異形成)より核酸(DNA/RNA)を抽出し、胆膵癌パネルを用いてmultiplex PCRを施行。PCR産物に対し、プライマー配列の除去、アダプターライゲーション、精製を行いライブラリを作製している。今後、テンプレート調整後、Ion ChefによりエマルジョンPCRと半導体チップローディングを施行し、Ion Protonを使用してNext-Generation Sequencing(NGS)を実施し、癌部、非癌部における分子プロファイルについ て、進化系統学的連続性について検証するため、系統樹解析とPyClone解析を施行する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
胆管癌例の切除検体の癌部、非癌部(過形成、化生、異形成)より核酸(DNA/RNA)を抽出し、胆膵癌パネルを用いてmultiplex PCRを施行した。PCR産物に対し、プライマー配列の除去、アダプターライゲーション、精製を行いライブラリの作製を試みているところであるが、研究の進行が停滞している。
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Strategy for Future Research Activity |
PCR産物に対し、プライマー配列の除去、アダプターライゲーション、精製を行いライブラリの作製に手間取っており、他の研究者と協力することで技術的な面 を含めての改善をはかる。
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Causes of Carryover |
研究がなかなか進まなかったため、使用すべき予算を使用しきれなかった。次年度に遅れた分を行う予定である。
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