2022 Fiscal Year Annual Research Report
がん幹細胞を標的にした新規近赤外光線免疫療法の開発
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21K20796
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
岡田 隆平 東京医科歯科大学, 東京医科歯科大学病院, 特任助教 (60806454)
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Project Period (FY) |
2021-08-30 – 2023-03-31
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Keywords | 光免疫療法 / 近赤外光線免疫療法 / 抗体薬物複合体 / がん幹細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、がん幹細胞に対する新規の近赤外光線免疫療法を確立していくことを目標としていた。がん幹細胞に発現している表面タンパクに対するモロクローナル抗体を共同研究者より供給いただき、それを用いて研究を進めた。入手したモノクローナル抗体に光感受性物質であるIR700を結合させた抗体薬物複合体を作成した。得られた薬物については液体クロマトグラフィを用いて品質評価を行い、適切に結合していることが示された。次に本薬剤を用いた近赤外光線免疫療法の効果を頭頸部癌細胞株2種類を用いて評価した。まず、使用した頭頸部癌細胞株が目的の分子を発現してるかをフローサイトメトリーを用いて評価した。発現の程度は2種類の細胞株で異なっていたものの、双方で発現を確認できた。次にその2種類の培養細胞を用いて近赤外光線免疫療法の効果を評価した。培養細胞に薬剤を結合させ、その後励起光を照射したところ、光線量が多くなるほど細胞死が見られた。これにより少なくとも培養細胞に対しては本治療の有効性が示されたこととなる。 本研究を通して、がん幹細胞に対する近赤外光線免疫療法の研究に関して研究の礎を築いた。本研究で得られた結果をもとに、現在継続して研究を進めている。今後はマウスモデルを用いて研究を進めていくとともに、現在承認されているEGFRを標的とした治療との効果の比較や作用の違いなども検討していく予定である。また治療後に起きる組織学的変化についても検討を重ねていく予定である。
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