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2021 Fiscal Year Research-status Report

超高線量率照射法FLASHによる腫瘍選択的DNA酸化損傷の質量顕微鏡的検証

Research Project

Project/Area Number 21K20798
Research InstitutionHamamatsu University School of Medicine

Principal Investigator

荒牧 修平  浜松医科大学, 医学部附属病院, 特任助教 (60907872)

Project Period (FY) 2021-08-30 – 2023-03-31
Keywords質量顕微鏡 / 質量分析イメージング / DNA
Outline of Annual Research Achievements

本研究の目的であった、「FLASHによる腫瘍部と正常組織におけるDNA酸化損傷を、質量顕微鏡を用いて分子レベルで検証すること」に対し、本年度は、質量顕微鏡によるDNA観察プロトコルの開発を行った。
プロトコルの基本的な流れとしては、試料の脂質を洗浄、除去し、その後タンパク質を分解、そして最後にヌクレアーゼによって、DNA二重らせん構造を消化するといった手順で行った。具体的には、酵素の量や時間、そして、質量顕微鏡で用いるマトリックスというイオン化促進剤の種類や濃度について条件調整を行った。質量顕微鏡はレーザーを使ってイオン化を行うMALDIを搭載する装置を用いた。
その結果、デオキシヌクレオシドの質量顕微鏡での観察に成功した。またRNA由来のヌクレオシドも高い感度で観察することができた。ところが、本来目的としていた、8oxoguanosineとRNA由来のguanosineの分子量が同じであったため、さらにグリコシラーゼで塩基レベルを観察する方針とした。その結果、8oxo-guanosineの標品から8oxo-guanineを観察することには成功したが、生体組織から塩基レベルのシグナルは検出することができなかった。今後は、生体試料からの塩基シグナルを検出できるよう、条件を検討したい。また、本来質量顕微鏡が得意とする脂質領域についても測定を行っていきたい。
本成果を第27回浜松医科大学シンポジウムで発表し、優秀賞を受賞した。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

本研究は、質量顕微鏡を用いてDNAを観察することと、FLASH照射の両軸から成り立っているが、アメリカで行う予定であったFLASH照射実験が新型コロナウイルス感染拡大の影響で延期となった。今年の10月には渡米できることが再度決まったため、本科研費の当該年度内には一定の成果を出せると考える。

Strategy for Future Research Activity

以下が研究計画である。①担癌マウスを作成し、FLASH照射と通常陽子線照射を行う。②液体クロマトグラフィー質量分析法によって腫瘍部と正常組織における8オキソグアニンの発現量を調べる。③②を踏まえて、組織を核酸酵素で処理した後に質量顕微鏡を用いて、腫瘍と正常組織における8オキソグアニンの可視化を行う。④③で得られた質量顕微鏡による8オキソグアニンの分布と病理学組織の血管の位置関係を照らし合わせる⑤放射線治療抵抗性の癌腫も含め複数のセルラインを用いた比較を行う。

Causes of Carryover

当初予定していたアメリカでの照射実験がコロナウイルス感染拡大の影響で次年度に延期となったため。

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Published: 2022-12-28  

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