2021 Fiscal Year Research-status Report
単細胞解析による免疫抑制骨髄系細胞分化機序の解明と、新規腫瘍溶解ウイルスの開発
Project/Area Number |
21K20803
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
大谷 理浩 岡山大学, 大学病院, 医員 (60902989)
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Project Period (FY) |
2021-08-30 – 2023-03-31
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Keywords | 腫瘍溶解ウイルス / 悪性神経膠腫 / 腫瘍微小環境 / NOTCH経路 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、膠芽腫に対する腫瘍溶解ヘルペスウイルス療法(oncolytic herpes simplex virus, oHSV)によって活性化するNOTCH経路が抗腫瘍免疫に与える影響の解明である。まずNOTCH経路が膠芽腫微小環境に与える影響を評価するため、The Cancer Genome Atlas (TCGA)に登録された膠芽腫416症例についてNOTCH経路の活性化を調べ、NOTCH高発現群および低発現群に分類した。更に、CIBERSORT解析を用いてそれぞれの群における免疫細胞の頻度を調べたところ、NOTCH高発現群において特に免疫抑制型マクロファージであるM2型マクロファージが増加していた。同様に、GSEA解析でもM2マクロファージやMDSC等の免疫抑制型骨髄系細胞が増加していた。 次に、担腫瘍マウスモデルを用いてin vivoにおける免疫細胞の評価を行った。担腫瘍マウスモデルに対してoHSVを投与したところNOTCH経路の活性化を認め、免疫細胞浸潤が確認された。一方でoHSVとNOTCH阻害薬を併用した群では、M2型マクロファージやMDSCの集簇が減少した。以上より、NOTCH経路は膠芽腫における免疫抑制型骨髄系細胞の集簇に関与していることが示唆された。 我々は主に腫瘍細胞におけるNOTCH経路の活性化に着目してたが、腫瘍微小環境における免疫細胞等でもNOTCH経路は活性化しうると考えられた。NOTCH経路は細胞のプログラミングに関与する経路であるため、今後はこのプログラミング機構について解析を行う予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究の第一段階として、令和3年度はTCGAデータベースに登録された膠芽腫症例の遺伝子解析および担腫瘍マウスモデルを用いた解析を行い、NOTCH経路が免疫抑制型骨髄系細胞の浸潤に関与することを証明した。現在は、NOTCH経路によって誘導される骨髄系細胞のプログラミング機構に着目し解析を行っており、当初の計画通りに進展していると考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、本研究の第二段階として、骨髄系細胞の網羅的遺伝子解析を予定している。oHSV単独もしくはoHSVとNOTCH阻害薬で治療を行い、それぞれの条件から単離したマクロファージを用いてRNA-sequencingを行い、遺伝子発現を比較する。さらに、担腫瘍マウスモデルを用いて単細胞解析を行うことで、骨髄系細胞のプログラム機構について単細胞レベルでの解析を目指す。
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Causes of Carryover |
本年度はTCGA等の公共データベースに登録されているデータを用いてin silico解析を行ったため、実験機器などの使用が少なく次年度使用額が生じた。次年度は網羅的トランスクリプトーム解析などを予定しており、次年度使用額と合わせて使用を予定している。
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[Journal Article] Inhibiting protein phosphatase 2A increases the antitumor effect of protein arginine methyltransferase 5 inhibition in models of glioblastoma2021
Author(s)
Otani Y , Sur HP , Rachaiah G , Namagiri S , Chowdhury A , Lewis CT , Shimizu T , Gangaplara A , Wang X , Vezina A , Maric D , Jackson S, Yan Y , Zhengping Z , Ray-Chaudhury A , Kumar S , Ballester LY , Chittiboina P , Yoo JY , Heiss J , Kaur B , Banasavadi-Siddegowda YK
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Journal Title
Neuro-Oncology
Volume: 23
Pages: 1481~1493
DOI
Peer Reviewed / Open Access / Int'l Joint Research
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