2021 Fiscal Year Research-status Report
大腸癌における低侵襲で経時的測定可能な新規バイオマーカーの開発
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21K20809
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Research Institution | Wakayama Medical University |
Principal Investigator |
中村 有貴 和歌山県立医科大学, 医学部, 学内助教 (30909528)
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Project Period (FY) |
2021-08-30 – 2023-03-31
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Keywords | リキッドバイオプシー / circulating tumor DNA / 大腸癌 |
Outline of Annual Research Achievements |
我々は、これまで大腸癌におけるリキッドバイオプシーの有用性について研究を行い、血中循環腫瘍DNA(circulating tumor DNA, ctDNA)測定の早期診断マーカーとしての有用性や術前ctDNAの再発および予後予測因子としての測定意義について報告してきた。今回は、従来の血中ctDNA測定を超えるバイオマーカーの探索、具体的には、より低侵襲で経時的測定を可能とする尿中ctDNA測定の有用性の検討を課題として本研究を開始した。 大腸癌周術期に血液と尿の採取を行い、血中および尿中遊離DNA(cell free DNA, cfDNA)を抽出、デジタルPCR法を用いて、血中および尿中ctDNAを測定した。これまでに78例において、KRAS遺伝子をターゲットとして、治療介入前の尿中ctDNAと臨床病理学的因子との関連について検討を行い、尿中ctDNAは大腸癌の病期に関わらず測定可能であること、また腎機能に関わらず検出可能であることを確認した。また、術前に化学放射線療法を施行した症例においては、尿中ctDNAを経時的に測定し、その変化を評価した。観察期間が短いため、現時点では、尿中ctDNAのstatusと治療効果との関連や再発および予後との関連については評価できていないが、今後明らかにしていく予定である。 本研究におけるこれまでの結果から、尿中ctDNAに関しても低侵襲かつ経時的に測定可能な有用なバイオマーカーとなりうる可能性があると考える。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
血中および尿中ctDNA測定の実験系が確立され、概ね当初計画したスケジュール通りに研究は進捗している。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き、適格症例の登録を行い、血中および尿中ctDNAと臨床病理学的因子との関連のついての調査を進めるとともに、血中および尿中ctDNAのstatusと治療効果との関連や再発・予後との関連ついて評価を行う。また、本研究の成果を学会等にて発表する予定である。
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Causes of Carryover |
今年度は既存の研究試薬や器具で対応可能な消耗品が多くあり、物品費を想定より抑えることができたため、次年度に繰り越すことになったが、次年度は研究試薬等の購入に使用する予定である。
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