2021 Fiscal Year Research-status Report
p97/VCPを標的とした新規多発性骨髄腫治療薬の開発に関する研究
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21K20840
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
西村 直 熊本大学, 病院, 特任助教 (90912311)
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Project Period (FY) |
2021-08-30 – 2023-03-31
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Keywords | multiple myeloma / p97/VCP / ER-stress |
Outline of Annual Research Achievements |
新規p97/VCP阻害薬、OSSL_325096及びその誘導体による多発性骨髄腫(MM)への抗腫瘍効果を検討し、新規薬剤開発に繋げることを目標とした研究である。現在までに新たに得られた知見として、VCP阻害による1)autophagy抑制作用及び、2)DNA damage response (DDR)の誘導である。1)に関して、VCPノックダウン細胞においてフローサイトメトリー上LC3陽性分画の明らかな減少を認めた。autophagyはVCPの生理的作用の一つであるが、ユビキチン依存性タンパク分解と並んで細胞質内のタンパク質処理では重要な役割を担っており、MM細胞においても生存において重要な役割を果たしていることが示唆されている。2) DDRの誘導に関して、VCPノックダウン細胞においてPARPのcleveage誘導、H2AX及びγ-H2AXの誘導を認めた。DDRもまたVCPの生理的作用の一つであり、MM細胞を始めがん治療のターゲットとして治療開発が進んでいる分野である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
特にOSSL_325096誘導体の開発が遅れている。新型コロナの影響により研究協力先との連携がうまくいっていない。また、研究者が新型コロナ診療に時間を割かれ、実験に充てる時間が不足している。
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Strategy for Future Research Activity |
VCP阻害によるautophagy抑制やDDR誘導の機序や、アポトーシス誘導との関連につきさらなる検討を進める。また、OSSL_325096誘導体の開発、RNA-sequence、プロテオーム解析によるOSSL_325096の作用機序解明を新たに行う。
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Causes of Carryover |
COVID19パンデミックによる研究の遅滞により予算消化が思うように進まず、残額を生じた。次年度も引き続き申請書記載の試薬代や委託検査代金、出張費として使用予定である。
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