2023 Fiscal Year Annual Research Report
胆道癌におけるATX/LPA受容体シグナルをターゲットとした新規治療の開発
Project/Area Number |
21K20844
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
近藤 啓 名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(医学), 准教授 (60750594)
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Project Period (FY) |
2021-08-30 – 2024-03-31
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Keywords | オートタキシン / 胆道癌 |
Outline of Annual Research Achievements |
今回、本支援により胆道癌進展におけるリゾホスファチジン酸(LPA)受容体シグナルの重要性と、オートタキシン(ATX)制御による癌抑制効果について検証することを目的として研究を行った。 A. 基礎実験 1) LPA受容体シグナルによる癌細胞増殖・浸潤促進とATX阻害によるその抑制効果の検証:LPA投与下・ATX 阻害剤投与下に増殖・浸潤能を評価し、siRNAによる形質導入によりLPA 受容体の3つのサブタイプの特異な性質を評価した。2) 胆汁中ATXによる胆道癌細胞への効果の検証:胆道癌細胞株に胆汁を投与し、増殖および浸潤能の変化を評価した。3) 正常胆管との共培養による微小環境下でのATXの作用:ATXの高発現が確認できている正常胆管と胆管細胞株を共培養し、増殖・浸潤能の変化を評価した。4) マウス皮下移植モデルを用いたin vivo実験: ATX阻害剤効果の評価を検証する予定であったが、胆管癌細胞株の皮下組織への移植率が低いため、その実験系の樹立に難渋。最終年度でも複数の癌細胞株を試し、ATXの発現量が十分量確認された細胞株の中から候補となる細胞株を同定した段階にとどまっている。 B.臨床検体(胆汁・血液・病変組織)を用いた実験 1) 胆汁中ATX濃度・活性値測定:胆道癌患者の胆汁中ATX濃度を同一患者の血清中および非癌患者(総胆管結石例)の胆汁中ATX濃度をELISAで比較評価した。2) 胆道癌組織中のATXおよびLPA受容体発現レベル解析:免疫染色で評価した。 基礎・臨床データは集積できたが、動物実験が完了しておらず、この部分は今後の課題として残ったため、引き続き遂行していく。
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