2022 Fiscal Year Research-status Report
不完全な膠原病所見を有する間質性肺炎の肺組織遺伝子発現解析と診断マーカーの開発
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21K20864
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
表 紀仁 名古屋大学, 医学部附属病院, 病院助教 (60901048)
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Project Period (FY) |
2021-08-30 – 2024-03-31
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Keywords | 間質性肺炎 / 膠原病 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的はInterstitial pneumonia with autoimmune features(IPAF)症例の肺組織遺伝子発現プロファイルを明らかにし、その中に含まれる膠原病関連間質性肺炎症例や特発性肺線維症症例の診断に有用なマーカーや予後予測因子を見つけ出すことである。当院の間質性肺炎データベースより、外科的肺生検を実施しており肺組織の凍結切片が保存されている特発性肺線維症症例と膠原病の間質性肺炎症例、Interstitial pneumonia with autoimmune features(IPAF)症例、肺癌の摘出肺の正常部分を凍結保存している症例を抽出した。これら症例の肺検体からRNAを抽出した。今後バイオアナライザーによるRNAのクオリティチェックを行い、問題なければまずはテストランとして特発性肺線維症と正常肺の遺伝子発現を少数例(8例程度)で比較する。その後、IPAF症例、膠原病関連間質性肺炎症例を追加する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
これまでに当院のおける間質性肺炎症例のデータベースを整理・作成した。外科的肺生検を実施しており、肺組織の凍結切片が保存されている特発性肺線維症症例と膠原病の間質性肺炎症例、Interstitial pneumonia with autoimmune features(IPAF)症例を抽出し、またこれらとは別のコホートで肺癌症例の摘出肺において、正常部位から得られた肺組織の凍結切片も準備した。これら症例のうち特発性肺線維症症例の肺検体と正常肺検体からRNAを抽出した。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は肺検体より抽出したRNAをバイオアナライザーによりクオリティーチェックを行った後に、RNA sequenceを行う。まずはtest runとして特発性肺線維症と正常肺検体(肺癌症例の摘出肺より得られた)8検体を用いてRNA sequenceを実施して、網羅的に遺伝子発現解析を行う。これらのデータを用いてクラスター解析を行い、従来指摘されている特発性肺線維症に特徴的な遺伝子発現が認められるかを確認する。次にIPAF症例を含めた症例を追加し、RNA sequenceを行う予定である。
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Causes of Carryover |
現在はRNA抽出とクオリティチェックを行っており、今後RNA sequenceを行う予定である。本研究ではRNA sequenceにかかる経費が多く、そのため次年度使用額が生じている。
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