2022 Fiscal Year Annual Research Report
急性移植片対宿主病における腸管上皮細胞再生メカニズムの解明
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21K20885
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Research Institution | National Hospital Organization, Kyushu Medical Center (Clinical Institute) |
Principal Investigator |
高嶋 秀一郎 独立行政法人国立病院機構九州医療センター(臨床研究センター), その他部局等, 血液内科医師 (70622116)
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Project Period (FY) |
2021-08-30 – 2023-03-31
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Keywords | GVHD / 同種造血幹細胞移植 / 腸管オルガノイド / IFN-gamma / MYC |
Outline of Annual Research Achievements |
前年度の研究で低用量のインターフェロンガンマ(IFNg)がヒト腸管オルガノイドのサイズを有意に増大させその腸管上皮に対する増殖活性が示された。我々はそのメカニズムを探索するためIFNgを加えたヒト腸管オルガノイドの遺伝子発現をreal time PCR法で評価した。MYC遺伝子の発現が早期に亢進することが示され、さらに腸幹細胞の細胞周期の制御に重要でMYCの標的遺伝子でもあるCCND1の発現亢進も同時にみられた。この結果はヒトの腸管上皮でもIFNgによる腸管上皮の増殖にIFNg→MYC→CCND1の経路が関与していることを示唆する。 また前年度、マウス同種移植モデルでGVHDを発症したマウスでは腸管上皮の増殖に一致してc-Mycの発現亢進がみられた成果を踏まえ、GVHDマウスに選択的Myc阻害剤である10058-F4の全身投与を行って腸管GVHDに対するその効果を検証した。本報告時点までの解析で10058-F4の投与が腸管GVHDの障害程度の指標の一つである腸管クリプトの減少や腸管GVHDの病理スコアを有意に増悪させる結果が得られている。この結果はMyc遺伝子を介した腸管上皮の増殖・再生が腸管GVHDの改善に寄与している可能性を示すものである。 上記の成果を踏まえ、将来的な課題としてヒト腸管オルガノイドにおけるIFNgによるMYC発現亢進の機能的役割、具体的には増殖活性について培養に選択的MYC阻害剤を加えることで検証する。また、GVHD発症マウスで選択的MYC阻害剤の投与がGVHD生存率に与える影響を検証する。
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[Presentation] T細胞はインターフェロンガンマと腸幹細胞のSTAT1を 介して上皮再生を促進する2022
Author(s)
Shuichiro Takashima, Roshan Sharma, Suze A. Jansen, Takahiro Ito, Winston Chang, Anastasiya Egorova, Jason Kuttiyara, Ya-Yuan Fu, Hiromi Iwasaki, Chen Liu, Nicolas Robine, Linas Mazutis, Caroline A. Lindemans, and Alan M. Hanash
Organizer
第84回日本血液学会学術集会
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[Presentation] Donor-Derived Amphiregulin Drives CD4+ T Cell Expansion and Promotes Tissue Pathology after Experimental Allogeneic BMT2022
Author(s)
Takahiro Ito, Shuichiro Takashima, Marco Calafiore, Ya-Yuan Fu, Anastasiya Egorova, Jason Kuttiyara, Winston Chang, Paola Vinci, Viktor Arnhold, Dietmar Zaiss, Alan M. Hanash
Organizer
64th ASH Annual Meeting and Exposition
Int'l Joint Research