2021 Fiscal Year Research-status Report
メタボロミクスを用いたアルドステロン産生腺腫の新規バイオマーカーの探索
Project/Area Number |
21K20888
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
手塚 雄太 東北大学, 大学病院, 助教 (50854642)
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Project Period (FY) |
2021-08-30 – 2023-03-31
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Keywords | 原発性アルドステロン症 / アルドステロン産生腺腫 / 本態性高血圧症 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究における対象検体は、これまでに当科で同意を得て保管した、通常診療で得られた血漿検体である。本研究の対象となりうる症例/使用可能な検体を確認し、後ろ向き研究として本研究実施のため当学倫理委員会に研究倫理申請手続きを行った。次に、臨床情報などから対象症例の選定を行い、副腎静脈血でのメタボローム解析に計40検体(アルドステロン産生腺腫、特発性アルドステロン症)、末梢血でのメタボローム解析に計100検体(原発性アルドステロン症、本態性高血圧症)を確保した。原発性アルドステロン症の病型診断については、副腎静脈サンプリング(分支採血を含む)の結果を全て確認し、典型的なアルドステロン産生腺腫、あるいは両側性アルドステロン過剰分泌の所見がみられることを確認した。一方、原発性アルドステロン症および本態性高血圧症の診断については、カプトプリル負荷試験や生理食塩水負荷試験など機能確認検査に加え、腎動脈超音波検査や睡眠時無呼吸症候群など、十分な二次性高血圧症の成因精査が実施されていることを確認した。更に、メタボローム解析を実施する東北メディカルメガバンクの研究者とのミーティングも開催し、本研究の意義・目的、研究手順の確認、実験に使用する血漿検体の詳細、実験開始までのプロセスを共有した。2022年度は、はじめに上記対象検体を用いた副腎静脈血のメタボローム解析を行う予定であり、診断マーカーの候補分子の選定後、末梢血でのメタボローム解析を行う。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本研究のための研究倫理申請を行い、2021年度に予定していた対象症例の確認、検体の収集は大凡終了したが、研究体制の整備に想定以上の時間を要した。今後、東北メディカルメガバンクの所有する質量分析計を用いて副腎静脈血および末梢血中のメタボローム解析を行う予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
2022年度は、はじめに原発性アルドステロン症症例(アルドステロン産生腺腫、特発性アルドステロン症)の副腎静脈血中メタボローム解析を行い、アルドステロン産生腺腫に特異的なバイオマーカー候補分子を確認する。その後、対象となった候補分子の末梢血レベルを確認し、手術適応となる原発性アルドステロン症の診断バイオマーカーを同定する。上記手法は、別研究で使用している手法であり、計画の変更なく実施可能である。
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Causes of Carryover |
メタボローム解析の開始が2022年度となったため、同実験に使用する2021年度分の研究費を2022年度に繰り越した。
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