2021 Fiscal Year Research-status Report
Analyses of clinical features and mechanism of skeletal dysplasia in patients with NANS mutations.
Project/Area Number |
21K20898
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Research Institution | Hamamatsu University School of Medicine |
Principal Investigator |
増永 陽平 浜松医科大学, 医学部, 診療助教 (20907795)
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Project Period (FY) |
2021-08-30 – 2023-03-31
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Keywords | NANS / NANS-CDG / シアル酸 / Nアセチルノイラミン酸 / 骨異形性症 / SMED |
Outline of Annual Research Achievements |
【NANS変異患者の臨床的および生化学的特徴の解明】 これまでに同定している3名のNANS変異患者において、身体所見、骨レントゲン所見、頭部MRI所見などを評価することで、新生児期に特徴的な骨レントゲン所見(脊椎のcoronal cleft)があるものの年齢とともに明らかでなくなること、重度の水頭症を伴う場合があること、新生児期より血小板低下がみられる場合があることなどを明らかにした。また、NANS変異により生じるSpondylo-meta-epiphyseal dysplasia (SMED)は、Faye-Peterson typeと重症度の高いCamera-Genevieve typeに分類されることを明らかにした。3名のNANS変異患者における血中シアル酸濃度はいずれも正常下限レベルで、1名で解析した血中タンパクの糖鎖(O-グリコシル化およびN-グリコシル化)は正常であったこと、これまでの報告ではNANS変異患者に対するシアル酸補充療法の効果が著明ではないことから、血中に存在するシアル酸よりも軟骨や脳組織で産生されるシアル酸がこれらの組織の発達に重要であることが示唆される。 【今後の予定】 遺伝子解析により、NANS変異には多様性があることを明らかにしたが、遺伝子変異と表現型の関連については明らかにできていないため、今後も症例の蓄積していく予定である。また、NANSノックアウトマウスを作成して、NANS変異により生じる骨異形性症発症機序の解明を進めていく予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
予定通り、NANS変異患者の臨床所見をまとめ、論文発表の準備を進めている。 NANS変異により生じる骨異形成症の発症機序を解明するために、ノックアウトマウスを作成する準備も進めている。
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Strategy for Future Research Activity |
NANSノックアウトマウスが作成できた後、骨組織などを評価する予定である。 軟骨細胞株においてNANSをノックダウンすることで、増殖能が低下するかなどのin vitro試験も進めていく予定である。
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Causes of Carryover |
年度途中の交付決定であり、実験の準備やノックアウトマウスの購入などに時間を要するため(倫理委員会の承認など)、実験関連の物品購入は次年度に使用することにした。今年度はすぐに対応できた患者の臨床情報の収集などを行なったため物品費用などはあまりかからなかった。
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