2023 Fiscal Year Annual Research Report
Analyses of clinical features and mechanism of skeletal dysplasia in patients with NANS mutations.
Project/Area Number |
21K20898
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Research Institution | Hamamatsu University School of Medicine |
Principal Investigator |
増永 陽平 浜松医科大学, 医学部, 特任助教 (20907795)
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Project Period (FY) |
2021-08-30 – 2024-03-31
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Keywords | NANS / NANS-CDG / SEMD / 脊椎骨端骨幹端異形成 |
Outline of Annual Research Achievements |
【背景】N-acetylneuraminic acid synthetase-congenital disorder of glycosylation (NANS-CDG)は、N-アセチルノイラミン酸(シアル酸)合成に関わるNANSを原因遺伝子とする常染色体潜性遺伝疾患であるが、非常に稀な疾患であるため、臨床所見の詳細は未解明である。また、脊椎骨端骨幹端異形成(SEMD)および成長障害を呈するものの、その発症機序についても未解明である。われわれは、NANS-CDG患者の臨床的特徴を見出すために、同定した患者3例の臨床および遺伝学的所見を詳細に検討し、SEMD発症機序解明のために軟骨由来細胞株を用いて機能解析を行った。 【症例】症例1は著明な水頭、SEMD、血小板減少を呈し、Faye-Petersonらにより報告された乳児の臨床所見に合致した。一方、症例2および3はCamera-Genevieveらにより報告されたSEMDおよび発達遅滞を特徴とするNANS-CDGの臨床所見に概ね合致した。 【遺伝学的解析】全エクソーム解析により、NANSにおいて、症例1ではc.979_981dup, c.207delが、症例2ではc.979_981dup (ホモ接合性)が、症例3ではc.607T>C, c.133-12t>a(スプライス異常を確認)が同定された。 【機能解析】ヒト軟骨由来細胞株C20A4細胞において、siRNA法によりNANS発現をノックダウンすると、COL2A1の発現と細胞表面のシアル化は野生株と同程度であったが、細胞増殖能のわずかな低下がみられた。 【結語】本研究と過去の報告により、(1)NANS-CDGの成長障害は生後に明瞭となること、(2)NANSが胎児期および出生後の脳の発達に重要であること、(3)出生時でもSEMDは認識可能で、骨所見は成長と共に変化すること、(4)NANS-CDG患者では血小板減少、血清シアル酸正常低値、血清タンパクの正常なグリコシル化がみられること、(5)NANS-CDGはCamera-Genevieve型と重症型であるFaye-Peterson型に分類できることが示唆される。また、NANS機能低下に伴うSEMDの発症機序には、軟骨細胞の増殖障害が関与すると考えられる。
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[Presentation] Clinical findings in three Japanese patients with N-acetylneuraminic acid synthetase-congenital disorder of glycosylation (NANS-CDG)2023
Author(s)
Yohei Masunaga, Gen Nishimura, Koji Takahashi, Kenichi Kashimada, Machiko Kadoya, Yoshinao Wada, Nobuhiko Okamoto, Daiju Oba, Hirofumi Ohashi, Mitsuru Ikeno, Maki Fukami, Hirotomo Saitsu, Tsutomu Ogata
Organizer
61st Annual European Society for Paediatric Endocrinology (ESPE) Meeting