2022 Fiscal Year Annual Research Report
アストロサイト由来のエクソソーム分離方法の確立とリキッドバイオプシーとしての応用
Project/Area Number |
21K20903
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
丸谷 典子 大阪大学, キャンパスライフ健康支援・相談センター, 招へい研究員 (10909815)
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Project Period (FY) |
2021-08-30 – 2023-03-31
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Keywords | アストロサイト / エクソソーム / リキッドバイオプシー |
Outline of Annual Research Achievements |
エクソソームは様々な細胞から血液などの体液中に放出される。アルツハイマー病などの神経変性疾患の診断には脳実質の変化を検知する必要があるが、脳をバイオプシーすることはハードルが高い。そこで、申請者は脳から湧出したエクソソームを血液から分離し解析する「リキッドバイオプシー」の発想に至った。申請者らは既に神経由来エクソソームを神経細胞膜特異的なAPLP1をターゲットとした免疫沈降法で分離することに成功している。本研究は、同様の理論にて、脳の主要な構成要素であるアストロサイト由来エクソソームを血中から分離する方法の確立を目指した。神経由来エクソソームとアストロサイト由来エクソソームを並行して分析できれば、より確度の高い「リキッドバイオプシー」が期待できる。 文献的にアストロサイト特異的蛋白を選出し、プライマリーアストロサイト細胞の培地より分離したエクソソーム(アストロサイト由来エクソソーム)標品を用いてウエスタンブロットで検討したところPTPRZ1、TTYH1、SLC1A3が発現しており、ターゲットとなりうることが確認できた。 また、プライマリーアストロサイト細胞の培地より分離したエクソソームをLC/MSを用いたショットガ ン解析により膜蛋白探索を行った。 PTPRZ1、TTYH1、SLC1A3などをターゲットとしてアストロサイト由来エクソソームを分離できることが示された。今後は、上記の3分子のうち血漿からアストロサイト由来エクソソームを分離するのに適した分子を選定し、アルツハイマー病患者の血液に応用予定である。
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