2021 Fiscal Year Research-status Report
Evaluation of Pathophysiology in Heart Failure Patients Using New ICT-based Multisensor Ambulatory Blood Pressure Monitoring
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21K20910
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Research Institution | Jichi Medical University |
Principal Investigator |
成田 圭佑 自治医科大学, 医学部, 臨床助教 (60912756)
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Project Period (FY) |
2021-08-30 – 2023-03-31
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Keywords | 高血圧 / 血圧変動 / 心不全 / 身体活動 / 気温変化 |
Outline of Annual Research Achievements |
身体活動や気温変化の評価が可能であるマルチセンサー搭載自由行動下血圧計を用いて、心不全患者における血圧変動の評価を行った。2021年度末(2022年3月)の時点で200名を超える被験者を登録することができた。コロナウイルス感染症の流行の影響により登録者数は伸び悩んだ部分もあったが、2021年度のみで50名前後の被験者の登録を行った。これらのデータを用いた横断的解析を行なっており、身体活動に対する血圧変動を示す、血圧の身体活動感受性および温度変化に対する血圧変動を示す、血圧の気温感受性の評価を行った。気温感受性について、100名前後の横断的解析において、血圧の気温感受性と心エコー検査上の左室収縮能が関連しているという結果を得た。本結果については2021年4月開催の欧州高血圧学会・国際高血圧学会の合同学会において発表を行った。 さらに、20例と少数ではあるものの、心不全患者の治療前後において、マルチセンサー搭載自由行動下血圧計による前方視的検討を行った。その結果、心機能改善を呈した集団で身体活動に対する血圧変動の改善を認めた。一方、心機能低下をきたしていた症例においては身体活動に対する血圧変動が低下している傾向を認めた。これらの結果は、症例数が少なかったものの我々が知る限り世界で初めて心不全患者の治療前後で24時間自由行動下血圧を評価した報告であった。 2021年度(2022年1月)に査読付き雑誌へ英文論文として投稿しており、2022年4月の時点で掲載が確定している(Journal of American College of Cardiology: Asia [JACC; Asia])。引き続き登録症例数を増やし、新たな視点からの解析を行う予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究登録者数は200名に到達しており、横断的な解析結果について国際学会などで発表することができた。また、一部の研究結果については論文化を進めている。最終的な目標登録数である500名の到達を目標に研究登録を進めている。
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Strategy for Future Research Activity |
被験者の登録を進めていくと共に、横断的解析を行う。一部の少数例においての解析結果を論文化している状況である。身体活動に対する血圧変動と心機能との関連について、有用な結果が得られており今年度の学会発表及び論文作成を進行中である。さらに、心不全病態の解明として、マルチセンサー搭載血圧計で得られる温度(体幹温度)変化に対する血圧変動と心機能の関連についても解析を行なっていく。
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Causes of Carryover |
コロナ禍の影響により、予定していた学会等がオンライン開催になったこともあり、予定していた研究費の執行が無く、次年度使用額が生じてしまった。次年度は、データ入力・整理を行う研究補助員の人件費や、英文校正や論文掲載料等の支出を予定している。
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Research Products
(1 results)