2022 Fiscal Year Annual Research Report
AI diagnostic imaging for prognosis and chemosensitivity of pancreatic cancer
Project/Area Number |
21K20919
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
山田 恭孝 神戸大学, 医学研究科, 医学研究員 (10910002)
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Project Period (FY) |
2021-08-30 – 2023-03-31
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Keywords | 膵癌 / 線維化 / AI診断 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題では、まず、膵癌切除例を使用して膵癌腫瘍内の線維化を定量的に測定し、膵癌の化学療法感受性や予後との関連性を検討した。腫瘍内コラーゲン線維量はEVG染色を用いて腫瘍全体におけるコラーゲン線維量を面積比率で算出し、中央値で高値群、低値群に分類した。その結果、腫瘍内コラーゲン線維高値群は低値群と比較して、有意に予後が良好であった。次に腫瘍内コラーゲン線維量に関与する因子を検討したところ、未分化癌であること、癌にCDKN2Aの変異があることが多変量解析にて抽出された。また、腫瘍内コラーゲン線維高値群は術後化学療法 (TS-1、GEM)の感受性が高いことが判明し、その理由として腫瘍内に浸潤するTリンパ球(CD4、CD8陽性T細胞)が高度であることが判明した。上記の結果より、腫瘍内部のコラーゲン線維量を測定することは予後予測に有用であり、術後化学療法感受性予測マーカーとして有用である可能性が示唆された。 引き続いて、膵癌の線維化予測のために、まずは富士フイルム株式会社と共同で膵癌を自動で同定するAI診断システムを開発した。具体的には、膵癌の術前に撮影した造影CTの画像を用いて、膵癌そのものを検出する腫瘤検出AI、膵癌の間接所見を検出する膵菅拡張検出AI、膵萎縮検出AIを作成したところ、良好な感度、特異度が得られた。今後は、本研究課題を応用して、化学療法感受性、予後予測のための線維化予測AI確立を目指す予定である。
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