2021 Fiscal Year Research-status Report
腸管上皮細胞-上皮間リンパ球細胞間接触を標的とした新規腸管腫瘍免疫療法の開発
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21K20922
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
森川 亮 東京医科歯科大学, 東京医科歯科大学病院, 医員 (60910122)
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Project Period (FY) |
2021-08-30 – 2023-03-31
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Keywords | CD103 / Ecadherin / CD8αα / TL / 小腸腫瘍 / in vivo imaging / オルガノイド / 細胞間接触 |
Outline of Annual Research Achievements |
近年免疫チェックポイント阻害剤が高い有効性を示しておりT細胞は抗腫瘍免疫において重要な役割を持つと考えられる。我々は小腸腫瘍のintravital microscopy及びIEL-腸管腫瘍由来オルガノイドの共培養システムを世界で初めて開発し、腫瘍ニッチにおけるT細胞動態およびIEL-腫瘍細胞間相互作用の可視化と腫瘍免疫におけるその意義を検討した。結果としてIELによる抗腫瘍活性はCD103及び細胞接触依存的である事を証明した。また、これまでに機能が不明であったIEL特異的に発現するCD8ααがIELの高い運動能と上皮細胞間への配置に重要な役割を有することを示した。今回我々はこれらの研究を発展させ、CD103/E-cadherinを介したIEL-上皮細胞間接触及びCD8aa/TLシグナルを介したIEL-上皮細胞間配置を標的とした新規の腫瘍治療法の可能性の検討を目的とした。CD103/Ecadherinを標的とした治療薬のスクリーニングとして複数のNSAIDSやEMT阻害剤をIEL-APCminマウス小腸腫瘍由来オルガノイド共培養系に添加し、IEL-腫瘍細胞間接触及び腫瘍制御能を解析する。効果の得られた薬剤をDPE-GFP x APCminマウスに投与した上で腫瘍部のin vivo imagingを行うことでIEL腫瘍細胞間接触を定量化し、APCminマウスに投与することで腫瘍の増減を解析する。腫瘍免疫におけるCD8αα/TLシグナルの役割を検討するめに抗CD8α抗体をIEL-APCminマウス小腸腫瘍由来オルガノイド共培養系に添加し、腫瘍制御能を確認する。CD8α-/-及びTL-/-APCminを作成し、腫瘍部のin vivo imagingや腫瘍の定量化を行う。2021年度の研究期間においてはNSAIDSの条件検討や実験に必要な個体数を得るための動物の交配などを行なった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
実験を行うための試薬や実験動物の準備を進めることが出来ている。
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Strategy for Future Research Activity |
CD103/Ecadherinシグナルに関する研究については、まず複数のNSAIDSやEMT阻害剤をIEL-APCminマウス小腸腫瘍由来オルガノイド共培養系に添加し、IEL-腫瘍細胞間接触及び腫瘍制御能を解析する。CD8αα/TLシグナルについては、まず抗CD8α抗体をIEL-APCminマウス小腸腫瘍由来オルガノイド共培養系に添加し、腫瘍制御能を確認する。これらin vitroの実験の結果を受けて、in vivo の投与実験につなげていく予定である。
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Causes of Carryover |
理由:試薬が当初の予定より廉価で購入可能であったため。 使用計画:今後施行予定である追加実験に必要な試薬を購入する予定である。
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