2021 Fiscal Year Research-status Report
脂肪組織常在性マクロファージが担う新たな生理機能の探求
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21K20929
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Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
西村 歩 富山大学, 附属病院, 医員 (20910459)
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Project Period (FY) |
2021-08-30 – 2023-03-31
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Keywords | マクロファージ |
Outline of Annual Research Achievements |
肥満人口は年々増加しており、様々な疾患の原因となり、インスリン抵抗性や糖尿病、脂質異常症などを引き起こすことが知られている。肥満により、脂肪組織では脂肪細胞の肥大化が起こり、間質には様々な免疫細胞が集積することが知られている。 マクロファージは脂肪組織の主要な免疫細胞であり、糖代謝をはじめとした様々な代謝疾患に関与することが報告されている。肥満にともなって、炎症性のM1-likeマクロファージが脂肪組織に集積し、それにより脂肪組織の炎症が惹起され、インスリン抵抗性を引き起こすことも報告されてきた。 また、CD206陽性M2-likeマクロファージは非肥満における主要な脂肪組織常在性マクロファージであることが知られている。これまでに脂肪組織常在性M2-likeマクロファージの役割として、組織リモデリング、抗炎症作用、褐色化、脂肪萎縮の抑制、繊維化などが報告されている。しかし、肥満における脂肪組織常在性CD206陽性マクロファージの生理的機能については充分に理解されていない。 これまでCD206陽性マクロファージが脂質代謝に関連するという報告はなかった。しかし、我々の予備実験で、CD206陽性マクロファージが脂質代謝を制御していると思われる結果が得られた。そこで、本研究では独自に作製したマウスモデルを用いて、脂肪組織常在性CD206陽性マクロファージが糖代謝・脂質代謝を制御していないか、また、そのメカニズムは何かを明確にすることを目的としている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
脂肪組織常在性CD206+ MΦが糖代謝・脂質代謝を制御していないかについては解析が進んでいるが、メカニズムについては現在も探索中である。
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Strategy for Future Research Activity |
メカニズム解明のために実施予定であった遺伝子組み換え実験のための細胞やマウスモデルの準備が予定より遅れているため、今後はその準備に力を入れる。
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Causes of Carryover |
本年度に実施予定だったRNA-seqなど、予算の大きな実験の一部を来年度に延期したため。
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