2022 Fiscal Year Annual Research Report
単核貪食細胞分化モデルを用いた普遍的細胞分化メカニズムの解読
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21K20936
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Research Institution | Foundation for Biomedical Research and Innovation at Kobe |
Principal Investigator |
西村 耕太郎 公益財団法人神戸医療産業都市推進機構, その他部局等, 研究員(上席・主任研究員クラス) (30909982)
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Project Period (FY) |
2021-08-30 – 2023-03-31
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Keywords | マスター転写因子 / 普遍的細胞分化増殖停止 / p53 / ビオチン化近位標識 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、マスター転写因子が普遍的な制御因子と協調して遺伝子発現を制御しているのか、細胞分化の普遍的メカニズムを明らかにすることである。 前年度に引き続き、単核貪食細胞分化CRISPR-Cas9スクリーニングのため、マウス正常骨髄から単離した造血幹前駆細胞へのCRISPRライブラリー導入を検討した結果、ライブラリーの導入は可能であるが幹細胞の分化能を維持した状態でのNGS解析は困難であるとの結論に至った。原因としては、ライブラリーサイズがPrimary細胞に対して大きく、高効率の導入のため濃縮レンチウイルスsgRNAを用いる必要があり、高濃度のウイルス導入による細胞ダメージがある。Primary細胞用のSmallカスタムライブラリーを設計検討中である。 マスター転写因子による細胞分化の解析のため、樹状細胞(DC)分化に可能なCas9発現 MUTZ3細胞株を新たに作成した。IL4/IFNaによるMUTZ3-DC分化プロトコルを最適化中であり、さらにsgRNAライブラリー導入を進めている。 細胞分化の普遍的増殖停止機構解明のためp53分子に着目し実験を進めた。比較対象として先行して進めていたTF1細胞株EPOで赤血球系、HL60細胞でミエロイド系の分化実験におけるp53の影響を解析した。TF1、HL60細胞の分化においてp53発現誘導は分化を促進する傾向にあった。さらにMUTZ3によるDC分化p53 発現誘導系の確立を行なっている。さらにAPEX2による細胞内ビオチン化近位標識により増殖停止と細胞分化をつなぐ分子を同定するためAPEX2融合遺伝子の導入、分化誘導と同時にビオチン化し質量分析を進行中である。 今年度の研究によりマスター転写因子と細胞分化に伴う普遍的増殖停止の連関の解析基盤が確立され、今後の進展により分子機構が明らかとなり本研究目的の達成、発展が可能である。
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[Journal Article] The early neutrophil-committed progenitors aberrantly differentiate into immunoregulatory monocytes during emergency myelopoiesis2023
Author(s)
Ikeda N, Kubota H, Suzuki R, Morita M, Yoshimura A, Osada Y, Kishida K, Kitamura D, Iwata A, Yotsumoto S, Kurotaki D, Nishimura K, Nishiyama A, Tamura T, Kamatani T, Tsunoda T, Murakawa M, Asahina Y, Hayashi Y, Harada H, Harada Y, Yokota A, Hirai H, Seki T, Kuwahara M, Yamashita M, Shichino S, Tanaka M, Asano K
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Journal Title
Cell Reports
Volume: 42
Pages: 112165~112165
DOI
Peer Reviewed / Open Access
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