2022 Fiscal Year Annual Research Report
Hemodynamic analyses of the portal vein flow changes using MRI, focusing on post-hepatectomy liver regeneration and small-for-size syndrome.
Project/Area Number |
21K20947
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
大島 侑 京都大学, 医学研究科, 客員研究員 (50911830)
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Project Period (FY) |
2021-08-30 – 2023-03-31
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Keywords | 肝切除 / 門脈血行動態 / 肝再生 / 過小グラフト症候群 / wall shear stress |
Outline of Annual Research Achievements |
肝切除後の相対的な門脈血流量の増加が肝再生を誘導する一方で、血管内皮細胞への過大な力学的刺激が肝再生を障害し過小グラフト症候群 ( small-for-size syndrome; SFSS)発生のリスクとなることが報告されている。しかし、これまで門脈血行動態の詳細な評価は技術的に困難であったため、門脈血行動態と肝再生との関係やSFSSの病態はいまだ十分に解明されていない。 本研究は、3次元位相コントラストMRI(3D PC-MRI)と流体解析技術を用いてラット70%、90%肝切除後の門脈血行動態の変化と肝再生やSFSSとの関連を評価することにより、肝切除後の門脈血行動態と肝再生との関係や、SFSSの病態を解明することを目的としている。 初年度の研究により、正常肝再生過程を辿るラット70%肝切除モデルの門脈血行動態変化を測定し、血行動態パラメーター(血流量、血流速度、壁せん断応力など)の定量的な評価を行うことができた。肝切除術後7日目には肝体積は術前の約88%、門脈血流量は約102%にまで回復することが確認できた。また壁せん断応力は肝再生の過程において、経時的な変化をほとんど認めなかった。 次年度からは術後にSFSSを来たすラット90%肝切除モデルを用いて、同様に血行動態パラメーターや肝再生過程を解析、評価した。術後7日目までの生存群、死亡群で各パラメーターの比較を行い、死亡群では肝体積あたりの門脈血流量が生存群よりも高い傾向を認めた。また、各種サイトカインや成長因子の測定も終えている。 現在、これまでに解析した門脈の血行動態パラメーターや各種サイトカイン、成長因子と肝再生過程との関連を評価し、どのような血行動態パラメーターであれば肝再生が誘導されるのか、あるいは肝再生が損なわれるのかの解析を試みているところである。
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Research Products
(1 results)