2021 Fiscal Year Research-status Report
心筋炎のレドックス状態を非侵襲的に可視化する早期診断法の開発研究
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21K20954
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
水田 幸恵 九州大学, 大学病院, 助教 (20906341)
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Project Period (FY) |
2021-08-30 – 2023-03-31
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Keywords | ドキソルビシン心筋症 / レドックス / DNP-MRI / 心臓 |
Outline of Annual Research Achievements |
磁気共鳴代謝イメージング装置(Dynamic Nuclear Polarization: DNP)ー MRI を用いて、心筋炎モデルマウスのレドックス状態を可視化、数値化するため、まず撮影条件の検討を行なった。ドキソルビシン誘発急性心筋炎モデルマウスを作成し、病理組織像(HE染色)、酸化ストレスを反映する免疫組織染色(8-OHdG)、血液生化学検査(CK, LDH)測定を行った。経時的に心臓超音波で測定した心機能が低下し、生存率が低下することを確認した。確立されたモデルマウスと通常マウスの心臓のレドックス状態を比較するため、経静脈的に投与したニトロキシルラジカルが心臓で代謝される速度をDMP-MRIで撮像し、算出し定量的に評価した。その結果、ドキソルビシン群で、コントロール群と比較し有意にニトロキシルラジカルの代謝速度に変化が生じることが確認され、心臓におけるレドックス状態の変化を反映しているものと考えられた。次年度より、マウス心臓ホモジネート及びH9c2(ラット横紋筋由来細胞)とCmPプローブとの反応を電子スピン共鳴装置(ESR)を用いて解析する。さらにミトコンドリア電子伝達経路における複合体Ⅳの阻害剤であるシアン化カリウム(KCN)の添加によってCmP代謝に変化があるのか確認することで、CmPの心臓における代謝が主にミトコンドリア電子伝達系によるのか、それとも抗酸化酵素等によるのかメカニズムを明らかにする。その上で、ミトコンドリアの代謝を明らかにするため、酸素消費速度の測定を行い電子伝達系の機能評価を行う予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究開始当初に予定していたin vivo DNP-MRIを用いた実験は予定通り進展した。 年度途中より研究員の増員を行い、さらなる実験遂行に向け着手している。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度明らかになった心筋炎の病態に伴うレドックス状態の変化が生じているメカニズムを明らかにするべく、抗酸化酵素や酸素消費量の測定による電子伝達系の機能評価を行うことを想定している。
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Research Products
(1 results)