2023 Fiscal Year Annual Research Report
家兎膝骨軟骨欠損モデルに対する末梢血由来と骨髄由来多血小板フィブリンの効果
Project/Area Number |
21K20960
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
丸山 真博 山形大学, 医学部, 助教 (00740870)
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Project Period (FY) |
2021-08-30 – 2024-03-31
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Keywords | 多血小板フィブリン / 骨軟骨再生 / 骨髄 / 再生医療 / 家兎 |
Outline of Annual Research Achievements |
立案した研究実施計画に準じ,家兎膝骨軟骨欠損モデルに対して末梢血由来多血小板フィブリン(P-PRF)と骨髄由来多血小板フィブリン(BM-PRF)の骨軟骨効果について実験を遂行した. 16週齢の家兎36羽を対照群,P-PRF群,BM-PRF群の3群に分けた(各群n=12).対照群では膝蓋骨溝に骨軟骨欠損(直径4 mm・深さ3 mm)を作製した.P-PRF群ではP-PRFを耳介中心動脈から採取した末梢血3 mlを遠心分離(1600 g,10分間)して作製し,欠損部に移植した.BM-PRF群は BM-PRFを腸骨(骨髄血3 ml)からP-PRFと同様の手順で作製し,欠損部に移植した.術後4週と12週時(各時点,各群n=6)に安楽死させ,骨軟骨修復状況についてマイクロCT解析,病理組織学評価を行った.マイクロCT解析の結果,術後12週時,BM-PRF群では軟骨下骨が他の2群よりも良好に再生されていた.組織学的評価(サフラニンO染色)の結果,BM-PRF群では骨軟骨欠損部は硝子様軟骨組織で修復されていたが,他の2群では線維様軟骨組織で修復されていた.また,術後4週の骨軟骨欠損部のTGF-β1発現について免疫組織化学を行った結果,BM-PRF群のTGF-β1染色陽性率は他2群よりも有意に高かった. これらの実験結果から,BM-PRFを骨軟骨欠損部に移植したことにより,欠損部ではTGF-β1が高発現し,骨軟骨修復が促進され,硝子様軟骨で修復したことを初めて明らかにした.したがって,BM-PRFは骨軟骨欠損治療に寄与できる可能性が示唆された.
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