2021 Fiscal Year Research-status Report
体内水素発生を惹起する経口シリコン製剤を用いた腎保護効果に関する作用機序の解明
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21K20970
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
田中 亮 大阪大学, 医学部附属病院, 医員 (60909654)
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Project Period (FY) |
2021-08-30 – 2023-03-31
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Keywords | 酸化ストレス / 経口シリコン製剤 / 腸内細菌叢 |
Outline of Annual Research Achievements |
まず、我々は片側尿管結紮モデルにおける、シリコン製剤投与による腎線維化に対する治療効果を検討した。腎組織におけるMasson Trichrome染色にて通常飼料投与群と比較し、シリコン製剤投与群は有意に腎線維化領域の縮小することを確認した。また、腎組織の定量リアルタイムPCR法、免疫組織染色を用いて、腎尿細管間質において筋線維芽細胞に特異的なα-smooth muscle actinの発現がシリコン製剤投与により減少することを示した。また、過酸化脂質の最終代謝産物である4-hydroxy-2-nonenalの腎免疫組織染色により、腎尿細管細胞における酸化ストレスがシリコン製剤投与により軽減されていることを確認した。 現在、犠牲死時の糞便の16srRNA遺伝子解析を遂行しており、腸内細菌叢のα多様性においてシリコン製剤投与の有無により有意な差があることを確認した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
我々の仮説通り、片側尿管結紮モデルにおいて、シリコン製剤投与による酸化ストレスの軽減により腎線維化が抑制されることを確認した。
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Strategy for Future Research Activity |
糞便の16srRNA遺伝子解析による腸内細菌叢の評価により、シリコン製剤投与が腸内細菌叢に及ぼす影響を確認する。また、具体的な菌種の比較として、ショットガンメタゲノム解析を行う。 また、シリコン製剤の腎保護効果の機序解明としてSOD,HO-1,GPxなどの抗酸化酵素の評価も行う、
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Causes of Carryover |
研究を進めていくうえで必要に応じて研究費を執行したため、当初の見込み額と執行金額が異なった。
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