2022 Fiscal Year Annual Research Report
体内水素発生を惹起する経口シリコン製剤を用いた腎保護効果に関する作用機序の解明
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21K20970
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
田中 亮 大阪大学, 医学部附属病院, 医員 (60909654)
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Project Period (FY) |
2021-08-30 – 2023-03-31
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Keywords | 酸化ストレス / 腎線維化 / シリコン製剤 |
Outline of Annual Research Achievements |
まず、我々は片側尿管結紮モデルにおける、シリコン製剤投与による腎線維化に対する治療効果を検討した。腎組織におけるMasson Trichrome染色にて通常飼料投与群と比較し、シリコン製剤投与群は有意に腎線維化領域の縮小することを確認した。また、腎組織の定量リアルタイムPCR法、免疫組織染色を用いて、腎尿細管間質において筋線維芽細胞に特異的なα-smooth muscle actinの発現がシリコン製剤投与により減少することを示した。また、TUNEL法により、腎尿細管細胞死数がシリコン製剤投与により減少していることを示した。 次に、腎局所における酸化ストレスを評価した。過酸化脂質の最終代謝産物である4-hydroxy-2-nonenalの腎免疫組織染色により、腎尿細管細胞における酸化ストレスがシリコン製剤投与により軽減されていることを確認した。また、腎組織の定量リアルタイムPCR法によりシリコン製剤投与が抗酸化酵素であるHO-1,カタラーゼの低下を抑制していることを確認した。 また、腎組織の定量リアルタイムPCR法、免疫組織染色を用いて、腎尿細管間質において腎線維化を促進するTransforming Growth Factor-β(TGF-β)の発現がシリコン製剤投与により減少することを示した。 これにより、シリコン製剤投与により、腎局所の酸化ストレスを軽減し、腎尿細管の細胞死ならびに、TGF-βの発現を抑制することにより、腎線維化を抑制することを示した。
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