2021 Fiscal Year Research-status Report
location of retinal receptive field of defocus and elucidation of myopia progression
Project/Area Number |
21K20975
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Research Institution | Kyoto Prefectural University of Medicine |
Principal Investigator |
後藤 周 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 特任助教 (80912435)
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Project Period (FY) |
2021-08-30 – 2023-03-31
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Keywords | 近視進行機序 / 近業 / 学童 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、「蒙像知覚野」の位置を同定し、近業による蒙像知覚野の遠視性蒙像の程度を把握し、近視発生・進行の危険性を推測するこ とである。 今まで京都府内の2か所の学校で8年間にわたって「詳しい視力検査」を行い、学童の近視進行の実態について調査を行っている。8年間でのべ4 000人以上となる小児の屈折長期データベースを有しており2021年度もデータを取得した。このデータベースをもとに蒙像知覚野仮説を証 明する為の新たな研究を開始する。 本研究では近視進行学童を抽出し、この対象に対して眼球パラメータをマッチングさせた正視学童を選び、研究協力の同意を得たうえで周辺屈折度測定を行う。通常の屈折検査が黄斑部での屈折度を測定するのに対して、周辺屈折は調節麻痺を行ったうえで黄斑外の領域の屈折度を測定する検査である。この検査を水平、垂直、斜めの3方向で行うことにより、どの網膜位置に発生する遠視性蒙像が、最も近視進行のリスクファクターになるか検討する。 2021年度は医学倫理審査委員会の承認したプロトコールをもとに、「詳しい視力検査」の小児の屈折長期データベースの8年にわたる蓄積から、 近視が進行している学童とコントロールを抽出し協力を依頼する。協力が得られた学童を対象に周辺屈折度検査を行い、蒙像知覚野の位置を同定する。またマスクに取り付け可能な視距離センサーを用いて学童の近業の距離と時間を実測し、近業の実態を調査する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
京都府内の学校での「詳しい視力検査」は2021年度も行うことができた。しかしながら、マスクに取り付け可能な視距離センサーの作製、納期が遅れたため、実際にこれを用いて学童の近業の距離と時間を実測し、近業の実態を調査することに対して遅れが生じてしまっている状態である。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度はマスクに取り付け可能な視距離センサーを用いて学童の近業の距離と時間を実測し、近業の実態を調査する。 集めた調査データから、蒙像知覚野に発生する遠視性蒙像の時間積分値と対象の学童の近視進行程度を解析することで、蒙像知覚野が存在するという仮説を証明し、近視進行機序を解明することが目標である。
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Causes of Carryover |
視距離センサーの製作、納期が遅延したため、次年度に実際の測定を開始することになったため
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