2022 Fiscal Year Annual Research Report
Single-cell analysis of immune cells during the construction of the neonatal immune system by maternal immunization
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21K20976
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Research Institution | Wakayama Medical University |
Principal Investigator |
伊豫 巧朗 和歌山県立医科大学, 医学部, 準客員研究員 (70895820)
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Project Period (FY) |
2021-08-30 – 2023-03-31
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Keywords | 母体免疫 |
Outline of Annual Research Achievements |
2歳未満の乳幼児期は未成熟な免疫能を背景に急性中耳炎の反復化をきたす。言語獲得期 における感覚器感染症の反復は聴覚障害の原因となることから、急性中耳炎の反復予防は現在においても臨床上の重要な課題である。主な原因菌である肺炎球菌は乳幼児早期より鼻咽腔に定着し、その制御には免疫学的未成熟機序の解明が望まれる。母乳栄養は解明の鍵であり、母乳栄養により仔マウスに特異的免疫応答が誘導され肺炎球菌の鼻腔保菌が抑制される ことが知られている。本研究は母乳栄養による肺炎球菌反復感染の抑制機序を明らかにし、新規ワクチン戦略に貢献することを目的とする。肺炎球菌抗原の経鼻免疫を受けた母マウス由来の哺乳仔マウスにおける免疫機構の賦活と長期免疫学的記憶獲得について、肺炎球菌の鼻腔保菌、肺感染、全身感染モデルを用いて検討する。また脾臓および胸腺の免疫担当細胞集団の単一細胞解析を行い、免疫記憶細胞の由来と免疫機構の賦活機序を明らかにする。 肺炎球菌表面蛋白抗原:Pneumococcal surface protein A(PspA)を用いて母体経鼻免疫を行った。経胎盤および母乳抗体を有する仔マウスの脾臓細胞では経鼻免疫終了後の成体マウスと同様にPspA特異的抗体産生能力を有していた。離乳後の6週齢にPspA単独抗原刺激した後に仔マウス血清抗体価を測定したところ、対照群(非免疫母由来母乳栄養乳幼児マウス)に比較して高い抗PspA特異的IgG値を示した。また、肺炎球菌の全身感染モデルでは対照群と比較し有意に生存率の上昇を認めた。以上のことから経鼻母体免疫においては仔への移行抗体だけではなく、免疫機構の構築にも関与すると考えられた。
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Research Products
(3 results)