2021 Fiscal Year Research-status Report
活性型TrkBを用いたアデノ随伴ベクターによる視神経再生治療の開発
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21K20979
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Research Institution | Jikei University School of Medicine |
Principal Investigator |
西島 義道 東京慈恵会医科大学, 医学部, 助教 (80909391)
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Project Period (FY) |
2021-08-30 – 2023-03-31
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Keywords | 緑内障 / 再生治療 / 神経栄養因子 |
Outline of Annual Research Achievements |
緑内障は網膜神経節細と視神経の不可逆性の変性疾患である。現在有効な治療法は眼圧下降による視野欠損の進行抑制のみである。しかしそれだけでは十分な治療効果を得られない患者が一定数存在すること、また我が国では正常眼圧緑内障(NTG)が多いことから、眼圧以外に注目した新たな治療法に対する期待が高まっている。本研究では脳由来神経栄養因子(BDNF)の受容体であるTrkBに注目し、独自に開発した活性型TrkBベクターを用いた遺伝子治療によって、網膜神経節細胞の保護、また樹状突起及び視神経軸索の再生療法の検討を行う。既に、活性型TrkBベクターによる網膜神経節細胞の保護効果及び視神経軸索再生効果を確認することが出来ている。 さらに、網膜神経節細胞の樹状突起をGFPを膜局在化させるように改変した(F-GFP)ベクターによって標識する実験系は確立されており、Imarisソフトウェアを使用することにより、樹状突起の全長・面積・分岐点などの定量化が可能となった。現在は活性型TrkBの樹状突起に対する治療効果を解析中である。 一方、視覚中枢付近の視経路障害に対する再生治療にも挑戦を行う。既に視神経根部から距離のある上丘付近における障害モデルの作成に成功しており、視覚誘発電位の低下を確認できている。今後は同モデルに対して活性型TrkBの再生治療効果に関して検討を行い、活性型TrkBを用いた遺伝子治療が緑内障等に対する新規治療となる可能性を模索していく。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
既に活性型TrkBによる神経保護・再生効果を確認でき、さらに必要なモデルの作成及び解析系の確立が出来ているため。
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Strategy for Future Research Activity |
活性型TrkBの視神経再生効果について、視機能の回復が得られているかについての解析を進める。具体的には視覚誘発電位および対光反射の確認など、電気生理学的所見と行動実験の双方から確認を行う。 また、緑内障モデルマウスに対する活性型TrkBの網膜神経節細胞の保護効果についても細胞数及び網膜機能の評価について解析をすすめる。
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Causes of Carryover |
マウス飼育費及び再生効果の確認のための試薬を含む物品費を計上していたが、今年度は所属機関内における実験系の確立が研究活動の主たる部分となったため、全額の計上は行わなかった。 また、国内及び国外学会発表準備が完了しなかったため、旅費は計上しなかった。 次年度使用額の使用計画 本年度に確立した実験系を用い、学会発表・論文投稿に必要なサンプル数を満たすための動物実験及びサンプルの解析を進める。遺伝子治療に必要なウイルスベクターも、同ロットのもので行うため、高用量で作成を行う予定である。
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