2022 Fiscal Year Annual Research Report
表皮細胞を標的とした強皮症に伴う難治性皮膚潰瘍の新規治療薬開発
Project/Area Number |
21K20984
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
尾松 淳 東京大学, 医学部附属病院, 助教 (70908334)
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Project Period (FY) |
2021-08-30 – 2023-03-31
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Keywords | 全身性強皮症 / 表皮細胞 / DNAアプタマー |
Outline of Annual Research Achievements |
表皮細胞の増殖・抑制に関わる複数のシグナルの抑制・活性化を実現するために比較的安価であるDNAアプタマーの作成をSELEX法をもちいて検討した。 表皮細胞の増殖に関わるIL-17やEGF受容体などの各受容体に結合するDNAアプタマーの取得を網羅的に行った。合成一本鎖DNA核酸ライブラリーを基に核両端にプライマー配列を持つ40塩基のランダムDNAを化学合成し、各受容体細胞外ドメインの組み換えタンパク質と混合し、結合配列を単離してPCR増幅する一連のサイクルを 行い配列解析を行い、結合する複数のDNAアプタマー配列の単離に成功した。次に上皮細胞特異的Fli1欠失マウスより採取した表皮細胞をもちいてIL-17A、EFGなどの結合活性を確認した。その結果、IL-17Aに対する有用なDNAアプタマーを同定した。また、、別のサイトカインであるIL-23などのDNAアプタマーについても同定を行った。同定したこれらのDNAアプタマーを強皮症モデルマウスに塗布するために、ナノリポソームカプセル含有クリームへの最終的な応用を視野に、外用剤の種類や塗布方法の検討を行った。次に強皮症モデルマウスを用いて潰瘍を人工的に作成し、創傷治癒において同定したDNAアプタマーが与える影響について多角的に検討を行った。今後,これらのマウスを用いた薬効評価の知見を蓄積することにより,DNAアプタマーが細胞内を標的とする潰瘍治療薬として展開されることが期待される.
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