2021 Fiscal Year Research-status Report
患者由来異種移植モデルを用いた脳海綿状血管奇形の病態解明と個別化治療法開発
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21K20985
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
本郷 博貴 東京大学, 医学部附属病院, 助教 (80908682)
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Project Period (FY) |
2021-08-30 – 2023-03-31
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Keywords | 脳海綿状血管奇形 / 遺伝子変異 / モデル動物 / 個別化治療 |
Outline of Annual Research Achievements |
脳海綿状血管奇形の原因遺伝子として、CCM1, CCM2, CCM3の3種がもともと知られていた。これに加え、PIK3CA変異、MAP3K3変異などその他の遺伝子変異が関連遺伝子として近年報告されている。本研究の目的は、患者由来異種移植による脳海綿状血管奇形モデルマウスの作製とこれを用いた病態解析を行うことで、脳海綿状血管奇形がもつ、複数の遺伝子異常が関与する複雑な病態を解明することである。 外科的摘出された脳海綿状血管奇形臨床検体より、CD31抗原を標識とするMagnetic-activated cell sorting (MACS)を用い血管内皮細胞を分離する手法を確立した。マウス皮下注射により形成される血管塊に対しDNA変異解析を行う計画であるが、まずはヒト摘出病変を対象とし、droplet digital PCR 解析によりPIK3CA、MAP3K3のhotspot変異を同定する方法を確立した。また、申請者の所属研究室において経験が少なかった血管内皮細胞培養について、ヒト臍帯静脈内皮細胞(human umbilical vein endothelial cells: HUVEC)の培養実験系を構築した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
外科的摘出された脳海綿状血管奇形臨床検体より血管内皮細胞を分離する手技を確立したものの、これを免疫不全マウス皮下へ注射する実験に対し倫理委員会の承認が必要である。摘出病変の分子生物学的解析を行う実験については倫理承認済であるが、動物皮下注射実験についても2022年6月末までに承認を得る予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
倫理承認を得た後、摘出病変より得た血管内皮細胞の培養および免疫不全マウスへの皮下注射を行う。さらに、これにより形成される血管塊について分子生物学的解析を進める予定である。
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Causes of Carryover |
当初、得られた血管内皮細胞を免疫不全マウスの皮下へ注射する実験まで進める予定だった。しかし、免疫不全マウス皮下注射実験について倫理承認を得る時期が次年度へずれ込んだため、マウス実験に使用する予定だった費用を次年度使用予定とした。
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