2021 Fiscal Year Research-status Report
Stem Cell Conversion of iPS Cell-Derived Trophectoderm
Project/Area Number |
21K20987
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
伊尾 紳吾 京都大学, 医学研究科, 客員研究員 (50759769)
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Project Period (FY) |
2021-08-30 – 2023-03-31
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Keywords | 幹細胞 / iPS細胞 / 胎盤 / 栄養膜細胞 / 細胞培養 / 産婦人科 / 発生生物学 / 人体発生学 |
Outline of Annual Research Achievements |
胎盤は妊娠の維持に重要なホルモン分泌、胎児と母体との間の栄養・ガス交換を担う、母児の健康に欠かすことができない臓器である。この胎盤の起源は、着床前胚の胚盤胞である。ヒト胚盤胞は栄養外胚葉(将来胎盤を作る細胞)と内部細胞塊(胎児を作る細胞)から構成される。 ES細胞、iPS細胞や組織幹細胞の登場により、胎児の様々な細胞へ分化誘導が可能となり、細胞の発生過程や多能性維持機構の解明が進み、ヒト発生生物学や再生医学は著しい発展を遂げた。このような背景と、産科学、とくに胎盤学のスペシャリティーを活かし、栄養膜細胞(トロホブラスト)の発生の出発点である栄養外胚葉に注目し、多能性幹細胞を用いた研究を進めている。具体的には、多能性幹細胞からトロホブラストへの分化誘導技術を確立し、多くの研究者が扱いやすい細胞モデルとなるように改良を続けている。 iPS細胞から目的とする細胞に分化誘導することは手間暇のかかる作業である。iPS細胞由来栄養外胚葉を利用した研究の効率的推進のためには、栄養外胚葉の性質を長期間維持可能な細胞が必要であり、容易に培養可能な栄養外胚葉幹細胞を樹立することを目的とした。ヒト受精卵のsingle-cell RNAシーケンスデータを用いて、独自のアルゴリズムで候補化合物を絞り込んだ。また、栄養外胚葉に特徴的な遺伝子に注目し、レポーター細胞株を樹立し、in vitro実験系で、さらなる化合物候補の絞り込みができる状況となった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ヒト受精卵のsingle-cell RNAシーケンスデータを用いたin silicoでの候補化合物を検討した。独自のアルゴリズムで、栄養外胚葉幹細胞を樹立・維持するための候補化合物を絞り込んだ。胎盤を構成する栄養膜細胞(トロホブラスト)の次世代シーケンサーデータも参照することは、化合物選定の評価基軸になった。 また、in vitro実験系での化合物スクリーニング検査でも化合物候補の絞り込みを行った。細胞を生かした状態で、かつ、迅速に評価可能な実験系を確立することが望ましいと考えた。栄養外胚葉に特徴的な遺伝子に注目し、レポーター細胞株を樹立し、蛍光顕微鏡、および、フローサイトメトリーで評価可能な状況となった。
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Strategy for Future Research Activity |
iPS細胞由来栄養外胚葉幹細胞の長期維持培養の確立を目的に、レポーター細胞株を用いて、候補化合物の最終選定を実施する。また、栄養外胚葉幹細胞からの分化能を評価する。また、栄養外胚葉幹細胞の維持機構を検討する。
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Causes of Carryover |
意見交換を目的とした国内・国外の学会に複数参加した。現地開催予定であった学会に関して、Virtual meetingになったものも含まれていたため、旅費の使用額が抑えられた。次年度も、学会発表を行うとともに、論文投稿を検討している。 in silico実験の比重が多かったため、本年度の物品費は予定よりも少額であった。in silico解析結果に基づいて、次年度は細胞実験の比重が多くなるため、次年度使用額を用いる。
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Research Products
(8 results)