2021 Fiscal Year Research-status Report
尿中エクソソーム内の細菌遺伝情報を用いた新たな早期腎癌診断薬の開発
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21K20988
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
植村 俊彦 大阪大学, 医学部附属病院, 医員 (60905941)
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Project Period (FY) |
2021-08-30 – 2023-03-31
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Keywords | 細菌遺伝情報 / 細胞外小胞 / 腎細胞癌 / マーカー |
Outline of Annual Research Achievements |
進行性腎癌の予後は不良であり早期診断が望ましいが、画像検査以外の診断は困難であり、臨床的に確立されたバイオマーカーは存在しない。近年、様々な癌種において癌局所に臓器特異的な細菌叢の存在が報告されているが、細菌種の同定には至っていない。 われわれは先行研究において、腎癌組織や尿などのヒトサンプルから超遠心法を用いて細胞外小胞(Extracellular vesicles, 以下EVs)を回収する方法を確立しており、16SリボソームRNAメタゲノム解析にてEVs内に細菌遺伝情報が存在することを見出した。しかし、16SリボソームRNAメタゲノム解析では細菌属レベルまでの同定が限界であり、細菌種は同定できていない。 現在、腎癌手術症例から腎癌組織、正常腎組織と尿を、また健常者から尿を収集している。まずは腎癌組織と正常腎組織からEVsを回収し、16Sリボソームメタゲノム解析だけでなくショットガンメタゲノム解析を行うことにより、腎癌組織特異的な種レベルの細菌遺伝情報を同定する。さらに腎癌患者と健常者それぞれの尿由来EVs内の細菌遺伝情報を比較解析することにより、尿由来EVs内の細菌遺伝情報を用いた新規バイオマーカーを探索することが本研究の目的である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
COVID 19の影響で手術の中止や全体の件数減少により、予定していたサンプル数を集めることが出来なかったためである。
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Strategy for Future Research Activity |
現在用意できるサンプル数で解析を行うことを検討している。収集した腎癌組織、正常腎組織および尿からEVsを回収し、16SリボソームRNAおよびショットガンメタゲノムシークエンスを行い、LEfSe(Linear discriminant analysis effect size) を用いて細菌遺伝情報の比較解析を予定している。
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Causes of Carryover |
研究を進めていく上で必要に応じて研究費を執行したため、当初の見込み額と執行金額が異なったためである。
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