2022 Fiscal Year Annual Research Report
Elucidation of the pathophysiology of pseudoexfoliation syndrome by structural analysis of pseudoexfoliation materials
Project/Area Number |
21K20994
|
Research Institution | Kyoto Prefectural University of Medicine |
Principal Investigator |
野々村 美保 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (60912615)
|
Project Period (FY) |
2021-08-30 – 2023-03-31
|
Keywords | 偽落屑症候群 / 水晶体嚢 / 偽落屑物質 |
Outline of Annual Research Achievements |
偽落屑症候群は様々な眼組織に白いフケ状の偽落屑物質(PEX: Pseudoexfoliation)が沈着し、角膜内皮障害や緑内障を引き起こす加齢性の結合組織疾患である。患者はしばしば片眼性の眼病変を呈するが、5-10年以内に最大50%が両眼性となることが報告されている。さらに、10年以内に高眼圧症または緑内障を発症または発症するリスクが約40%あることが報告されており、PEXがどのような構成成分で、またどのように形成されているかについて理解することは、偽落屑症候群に伴う様々な眼病変の病態解明において重要なことである。 本研究では、光学顕微鏡および電子顕微鏡を用いて偽落屑症候群における水晶体前嚢上のPEXの形態学的解析を検討した。京都府立医科大学・北部医療センターで、偽落屑症候群を対象に、白内障手術時に通常破棄され水晶体前嚢を採取し、凍結切片を作成した。偽落屑症候群を伴わない白内障患者をコントロールとし、ヘマトキシリンおよびエオジン染色を行い、光学顕微鏡で観察を行なった。さらに一部の症例では電子顕微鏡で追加観察を行った。偽落屑症候群では水晶体前嚢に好酸性に染色されたPEXと思われる構造物を観察したが、コントロールでは一例も認めなかった。また水晶体上皮には一部非特異的な嚢胞性の変化を認め、一部水晶体前嚢剥離も認めた。電子顕微鏡では、水晶体表面は粗造で一部に顆粒状の含有物を認めた。またチン小帯繊維と思われる色素顆粒が付着していて、チン小帯繊維から派生したと考えられる単一のミクロフィブリルが、粗い水晶体表面に沈着していた。
|