2021 Fiscal Year Annual Research Report
The functional analysis of laryngeal taste bud like cells in water swallowing
Project/Area Number |
21K21020
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Research Institution | Kyushu Dental College |
Principal Investigator |
徐 嘉鍵 九州歯科大学, 歯学部, 助教 (10908932)
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Project Period (FY) |
2021-08-30 – 2022-03-31
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Keywords | 喉頭部 / 味蕾様構造 / 水嚥下 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、喉頭部味蕾様構造での水受容分子の探索と咽頭炎モデルにおける変化を調べることであった。最近の水受容に関する知見によると、PKDLによるプロトン受容説とCl-チャネルによるCl-脱抑制説の2つが考えられた。ウレタン麻酔下ラットを対象に水嚥下測定実験を行ったところ、プロトン生成に関わる炭酸脱水酵素の阻害剤を投与しても嚥下運動は抑制されなかった。一方、Cl-チャネル阻害で知られるカドミウムを投与したところ、Cl-による嚥下抑制が解除された。以上の実験結果から、後者のCl-チャネル脱抑制説の方が有力と考えられる。 次に、ラットの喉頭部組織からのRT-PCR解析によりClC-3というチャネル分子が有力候補として挙がってきた。喉頭部組織の薄切により喉頭蓋披裂ヒダ(アルテノイド)に味蕾様構造物を確認した。味細胞のマーカーであるCK8を用いてCLC-3との2重染色を行ったところ、CLC-3とCK-8との共発現傾向がみられた。ClC-3の免疫陽性は粘膜上皮組織全体にも確認された。 同時期に新規に開発した咽頭炎モデルラットにおいて、水嚥下が有意に抑制されていた。H-E染色にて、咽頭喉頭部の上皮組織は剥離し、味蕾様構造物が消失していた。このことにより、粘膜上皮および味蕾様構造物のどちらか、もしくは両方での水受容が大きく阻害されていることに起因すると考えられる。 今後さらに研究を進め、論文として報告する予定である。
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