2022 Fiscal Year Annual Research Report
PV-ChR2ラットの島皮質光刺激による疼痛抑制効果の行動生理学的検証
Project/Area Number |
21K21024
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
梶原 美絵 日本大学, 歯学部, 専修医 (70906354)
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Project Period (FY) |
2021-08-30 – 2023-03-31
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Keywords | 光遺伝学的手法 / PV細胞 / 島皮質 / channelrhodopin-2(ChR2) / 光刺激 / 行動生理学 / 疼痛 |
Outline of Annual Research Achievements |
歯科・口腔外科治療における末梢神経損傷は,神経障害性疼痛を惹起し難治性の経過を辿ることが多く未だ有効な治療法は少ない。本研究は光遺伝学的手法を用いて島皮質興奮性ニューロンの過活動を効果的に抑制できるかを検証した。 抑制性ニューロンの中で約半数を占めるparvalbumin細胞(PV細胞)は興奮性ニューロンを強力に抑制する。本研究では,parvalbumin-Cre遺伝子改変ラットの島皮質にアデノ随伴ウイルス(AAV5-EF1α-Flex-hChR2(H134R)-mCherry;AAV)を注入することでPV細胞に選択的に光活性化型非選択的陽イオンチャネルであるchannelrhodopsin-2(ChR2)を発現させたラット(PV-ChR2ラット)を用いて,ラット島皮質の青色光刺激によるPV細胞の活性化がもたらす疼痛抑制効果をラット逃避行動の変化量から検証した。 島皮質に光照射ファイバーを植立したPV-ChR2ラットを頭部固定装置を用いてアクリル円盤の上で頭部固定した。本実験では,ラットが逃避行動を示すとアクリル円盤が回転し,回転量から逃避行動を定量化することができる装置を使用した。前年度の研究で得られた,ラットが逃避行動を示す侵害レーザー強度(1500ms)を使用して①無刺激時,②青色光刺激時,③侵害レーザー刺激時,④侵害レーザー刺激と同時に青色光刺激時での逃避行動の変化について調べたところ③より④の条件下でラットの逃避行動量が減少する傾向にあった。 光遺伝学的手法によるPV細胞の活性化で疼痛抑制が可能となることが考えられる。
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