2023 Fiscal Year Annual Research Report
Exploration of the structural isomer of myo-inositol which exhibit specific augmentation of mandibular endochondral growth
Project/Area Number |
21K21026
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Research Institution | Tsurumi University |
Principal Investigator |
遠山 俊之介 鶴見大学, 歯学部, 学部助手 (10908940)
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Project Period (FY) |
2021-08-30 – 2024-03-31
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Keywords | myo-inositol / 下顎骨特異的成長 |
Outline of Annual Research Achievements |
研究代表者らは、Myo-inositol代謝に関与する酵素Pik3cdが下顎頭軟骨に特異的に高発現していることに着目し、マウス食餌へのmyo-inositol補充は下顎骨特異的な成長促進が行えることを明らかにした(Bone 2019)。inositolには複数の構造異性体が存在していることから、構造異性体が特異的な下顎骨成長促進効果を示す可能性も推察されるが、inositol群間での軟骨細胞への分化については未だ不明である。本研究課題では、1)inositol構造異性体間で最も高い成長促進効果を示すものを同定 2)構造異性体が下顎骨特異的成長促進効果を示すか検証することを目的とした。初めにMyo-inositolが与える軟骨分化のタイミングを明らかにすべく①control群②positive control群(BMP4群)③実験群(Myo-inositol群)の3つに群分けし培養実験を開始した。培養実験系に用いた細胞は軟骨分化能を有するマウスATDC5を用い、軟骨分化の指標として軟骨分化の最終マーカーとして知られているColⅩの発現を比較した。リアルタイムRT-PCR法を用いた遺伝子発現解析では培養開始3日目の発現強度では3群に有意な差は認めず、BMP4群でも差はなかった。培養開始5日目ではcontrol群と比較してBMP4群では大きく増加し、次いで実験群も増加した。次にタンパクレベルの発現を比較すべく、抗ColⅩ抗体を用い蛍光免疫染色を行った。培養7日目のcontrol群では発現強度が弱く、BMP4群で大きく増加し、次いで実験群で増加することが明らかになった。これらの結果からMyo-inositolがATDC5における軟骨細胞分化を増強することが明らかとなり、Myo-inositolは下顎の成長を増強するのみならず、軟骨の恒常性維持に有益な物質であることが示唆された。
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