2021 Fiscal Year Annual Research Report
唾液細菌腸管移入モデルを用いたペリオドンタルメディスン病因機序の解明
Project/Area Number |
21K21035
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
山崎 恭子 新潟大学, 医歯学総合研究科, 研究員 (70909746)
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Project Period (FY) |
2021-08-30 – 2022-03-31
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Keywords | 口腸連関 / 歯周炎 / dysbiosis / 腸内細菌叢 |
Outline of Annual Research Achievements |
歯周炎は様々な全身疾患のリスクを高めることが多くの疫学研究より報告されているが,そのメカニズムには未だ不明な点が多い。研究代表者はマウス実験においてPorphyromonas gingivalis の嚥下がSPF環境下では腸内細菌叢の変動と全身性の炎症を誘導する一方,Germ-free環境では全身性の炎症を誘導しないことを報告した。これにより嚥下された歯周病原細菌は腸内細菌叢の変動とそれに伴う内毒素血症を誘導することで全身性の炎症をもたらすことを明らかにした。しかしながらこれらは複雑な口腔環境を再現したモデルとは言えない。そこで本研究では口腔細菌の影響を明確にするため,抗生物質を投与しGerm-free環境を疑似再現したマウスに歯周炎患者と健康な被験者の唾液を投与することで,歯周炎患者口腔細菌叢が腸内環境に及ぼす作用を介して全身に与える影響を解析することとした。 本年度は臨床研究に関する指針に基づきサンプリングした複数の歯周炎患者唾液,健康な被験者の唾液を解析した。16SrRNAを利用した唾液細菌叢の解析を行い,歯周炎患者唾液細菌叢にはRed Complex細菌を含む主要な歯周病原細菌が有意に高い割合で含まれていることが明らかとなった。また健康な被験者と歯周炎患者の唾液細菌叢は異なる構成を示すことも明らかとなった。このことから,歯周炎患者唾液細菌叢は健康な人のそれとは異なる菌叢を有し,それは歯周病原細菌の存在比の上昇により特徴づけられることが示された。
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