2021 Fiscal Year Research-status Report
コールドレーザーによる基質代謝活性の制御技術を応用した顎関節軟骨再生治療法の確立
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21K21041
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
坂田 修三 広島大学, 病院(歯), 歯科診療医 (60911526)
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Project Period (FY) |
2021-08-30 – 2023-03-31
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Keywords | コールドレーザー / 顎関節 |
Outline of Annual Research Achievements |
変形性顎関節症の発症には、機械的刺激に起因した局所炎症反応が関与しているとされている。変形性顎関節症が進行することで重篤な不正咬合を引き起こすことが報告されており、矯正歯科治療をしばしば複雑化させる。変形性顎関節症に対する治療法は主に対症療法であり、患者への侵襲性が低い新規治療法の確立が急務である。近年開発されたコールドレーザーは従来のレーザーと比較して侵襲性が低く深部組織への到達性が高いことから、変形性顎関節症の病態に対して有効に作用することが期待されている。2021年度では変形性顎関節症に対するコールドレーザー照射の影響を検討するため、in vivo 実験系の予備検討として変形性顎関節症モデルマウスの確立を行った。C57BL/6J雄性マウスを深麻酔下にて強制的に過開口状態にし、顎関節に過度な機械的負荷を加えた。一日3時間の過開口を5日~10日継続することで、下顎頭の骨吸収が生じることをマイクロCTにて確認した。また併せて in vitro 実験系の研究を進めており、コールドレーザー照射がIL-1βの添加によって軟骨細胞に惹起された炎症を部分的に抑制することを確認し、実験結果をまとめ学会発表を行った。今後は変形性顎関節症モデルマウスの顎関節部コールドレーザー照射を行い、顎関節部に与える影響について組織学的解析を行うとともに、培養軟骨細胞の分化に対するコールドレーザー照射の影響を検討していく予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は機械的刺激に起因した変形性顎関節症に対するコールドレーザー照射の影響を検討するため、変形性顎関節症モデルマウスの条件検討を行い、モデルの確立を行った。また併せて軟骨細胞の分化に対するコールドレーザー照射の影響を検討するため細胞実験の準備を進めており、当初の計画通り概ね順調に進行している。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は顎関節症モデルマウスの顎関節部にコールドレーザー照射を行い、その影響を検討していく予定である。具体的には処置前後に撮影したCT画像の解析と、組織切片を用いた形態学的計測を行う。また細胞実験としては、軟骨細胞の分化に対するコールドレーザー照射の影響を検討するため、軟骨細胞に種々の分化刺激を加えたうえでコールドレーザーを照射し、定量PCR解析やウエスタンブロット解析などを行う。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルスの感染拡大に伴い国際・国内学会の規模縮小・中止があり、また海外からの研究試薬の輸送遅延が生じたため、当該年度の未使用金額が発生した。次年度では学会発表および遅延している研究試薬の購入費用として使用する予定である。
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Research Products
(1 results)