2022 Fiscal Year Annual Research Report
コールドレーザーによる基質代謝活性の制御技術を応用した顎関節軟骨再生治療法の確立
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21K21041
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
坂田 修三 広島大学, 病院(歯), 歯科診療医 (60911526)
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Project Period (FY) |
2021-08-30 – 2023-03-31
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Keywords | コールドレーザー / 顎関節 / レーザー / 代謝活性 |
Outline of Annual Research Achievements |
変形性顎関節症は、関節軟骨の破壊を初期病変とする退行性疾患である。一般的な変形性顎関節症に対する治療は主に対症療法に留まり、現在のところ有効な治療法の確立には至っていない。近年開発されたコールドレーザーは従来のレーザーと比較して侵襲性が低く深部組織への到達性が高いことから、変形性顎関節症の病態に対して有効に作用することが期待されている。本研究は、コールドレーザーの変形性顎関節症に対する影響を明らかにすることを目的とした。申請者はヒト初代培養軟骨細胞に対し、炎症性サイトカインの一種であるInterleulin 1-β(IL-1β)を作用させ、炎症性サイトカインおよびmatrix metalloproteinases(MMPs)の発現上昇をqPCR解析およびウエスタンブロット解析を用いて確認した。また、レーザー照射群においては、IL-1β添加直後にコールドレーザーの照射を行ったところ、IL-1β、IL-6、Timor necrosis factor-α(TNF-α)、MMP-1、およびMMP-3の発現が抑制され、コールドレーザー照射が軟骨細胞の炎症反応を抑制しうる可能性が示唆された。また、細胞内シグナル伝達経路について解析を行ったところ、コールドレーザー非照射群と比較して、コールドレーザー照射群においてNuclear factor-kappa B(NF-κB)の核内移行および転写活性が有意に抑制されていることを明らかにした。以上の結果より、コールドレーザーの照射が、変形性顎関節症の病態形成を抑制しうる可能性が示唆された。
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Research Products
(2 results)