2021 Fiscal Year Research-status Report
変形性顎関節症モデルマウスにおける”筋-腱-骨複合体”の動態解明
Project/Area Number |
21K21050
|
Research Institution | Tokyo Dental College |
Principal Investigator |
石束 叡 東京歯科大学, 歯学部, 助教 (50906972)
|
Project Period (FY) |
2021-08-30 – 2023-03-31
|
Keywords | 変形性顎関節症 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は顎関節部における筋の骨への付着部を『筋-腱-骨複合体』として1つの機能的単位として捉え、下顎頭の病的な器質的変化が外側翼突筋やその腱へどのような影響を与えるのかを明らかにすることである。 今年度、変形性顎関節症モデルマウスを用いて実験を行った。その結果、変形性顎関節症では下顎頭の肥厚に伴い、その側方に位置する側頭筋が大きく変形することが明らかとなった。そこで我々は、下顎頭の肥大の程度が側頭筋の変化に影響するのではないかと仮説を立て、骨と筋の相関分析を行った。その結果、下顎頭の肥大にともない、側頭筋の変形も大きくなることがわかった。本研究により、骨と筋の器質的変化は互いに影響を及ぼしながら、変形性顎関節症が進行していくことが明らかになった。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
正常マウスの関節円板を人為的に除去し、変形性顎関節症モデルマウスを作出した。関節円板の除去後16週で観察した結果以下の事象が生じた。①残存した関節円板は外側翼突筋に牽引され前方に移動した。②外側翼突筋停止部上部の筋線維断裂を認めた。③顎関節側方に位置する側頭筋の変形を認めた。 以上の病態を明らかにするために、今後は電子顕微鏡を用いて筋-腱接合部ならびに腱-骨接合部の超微細構造を詳細に確認する。また、各種タンパクの経時的局在について免疫組織化学的染色法を用いて明らかにする。
|
Strategy for Future Research Activity |
これまでの研究により、マウスの関節円板を除去することで、下顎頭の肥厚とそれに連続する外側翼突筋の筋や腱に断裂が生じることが明らかとなった。また、顎関節側方に位置する側頭筋が下顎頭の肥厚の増大に伴い変形していくことが明らかとなった。この病態を明らかにするために、今後は腱細胞ならびに筋線維の組織学的解析(電子顕微鏡を用いた超微細構造解析、免疫組織化学的染色法を用いた検索)を推進する。
|
Causes of Carryover |
免疫組織化学的検索に用いる抗体の選定に時間を要したことと、コロナ禍の影響により、物品の調達に支障が出たため、次年度使用の必要が生じた。
|
Research Products
(1 results)