2022 Fiscal Year Annual Research Report
Energy metabolism regulator of skeletal muscle in periodontitis suppression function.
Project/Area Number |
21K21059
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
高見澤 圭 新潟大学, 医歯学総合病院, 医員 (70907360)
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Project Period (FY) |
2021-08-30 – 2023-03-31
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Keywords | 歯周炎 / エネルギー代謝調節 / ミトコンドリア / 骨格筋 |
Outline of Annual Research Achievements |
ヒトの骨格筋のエネルギー代謝を司るミトコンドリア機能を調節する分子であるPPARγ、PGC-1αおよびUCPについては、炎症における抑制的な役割も報告されている。歯周炎は多くの全身疾患との関連性が示唆されている慢性炎症性疾患である。本研究はこれら骨格筋のエネルギー代謝調節分子に歯周炎抑制機能があるとの仮説を検証することにより、身体活動と炎症抑制の関係を明らかにし、炎症によるサルコペニアリスクの低減に寄与することを目的としている。 我々は以前、分娩後女性においてPPARγ遺伝子多型と歯周炎との有意な関連性を報告した。また閉経後女性においてはUCPの遺伝子多型と重度歯周炎との間に有意な関連性が認められた。同様の結果は総合病院外来患者である成人男女でも確認された。そこで今回はあらたに新潟大学遺伝子倫理委員会の承認を得て、UCP遺伝子多型と歯数・運動習慣と死亡率の関連性を解析した。対象は総合病院外来患者である成人男女のうち、研究参加に同意を得られた875名であった。解析の結果、UCP2遺伝子多型は女性において、死亡率と有意な関連性を示した。一日平均歩数および歯数はそれぞれ独立に死亡率の減少に関連していた。この結果は運動習慣および口腔の健康が生存期間延伸に寄与することを示唆していると考えられるが、UCPの関与は女性限定であり、歩数や歯数と死亡率の関連性にUCP遺伝型は有意な影響を及ぼしていなかった。そこで現在、PPARγおよびPGC-1αについて同様の解析を行っているところである。また、これと平行して、PPARγ、PGC-1αおよびUCPが骨格筋のエネルギー代謝調節を介して歯周炎を抑制するメカニズム検証のため、ヒト骨格筋細胞を用いた実験を行っている。すなわち歯周病原細菌由来物質による刺激により骨格筋がこれら分子を介してマイオカインの産生を調節するとの仮説を検証中である。
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Research Products
(1 results)