2021 Fiscal Year Research-status Report
眼窩下神経結紮モデルを用いた、神経障害性疼痛に対するNetrin-1の関与の検討
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21K21064
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
本城 有華 大阪大学, 歯学部附属病院, 医員 (90912204)
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Project Period (FY) |
2021-08-30 – 2023-03-31
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Keywords | 神経障害性疼痛 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、脊髄損傷による神経障害性疼痛モデルで発現が増加したNetrin-1やその受容体であるDCCやUnc5(A-D)が、口腔顔面領域に神経障害性疼痛を発症させた場合には発現がどのように変化するのか、また発症させた疼痛が抗Netrin-1抗体の投与により変化するのかについて、口腔顔面領域の神経障害性疼痛モデルである眼窩下神経結紮モデルを用いて検証し解明することである。 1)眼窩下神経結紮による神経障害性疼痛モデルの作製 現在、神経障害性疼痛を発症させるためラットに眼窩下神経の結紮を行い、その行動をvon Frey filament testによって評価しているが、モデル確立にはまだ至っていない。ラットの種類やその順化期間・環境・方法によっても大きく異なってくるため、再度検討している段階である。 2)痛覚伝導路の一次中継核におけるpERK発現の免疫組織学的検討、3)VcおよびC1-2におけるNetrin-1、DCC、Unc5(A-D)の免疫組織学的検討、4)Netrin-1、DCC、Unc5(A-D)の遺伝子発現の定量解析、5)抗Netrin-1抗体の鎮痛効果についての検討 モデルが確立していないため、検討できていない。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
実験器具やラットの選定などが当初の計画より遅れ、さらに眼窩下神経結紮による神経障害性疼痛モデルラットの作成が難航しているため。
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Strategy for Future Research Activity |
1)ラットに眼窩下神経結紮を行い、行動評価・免疫組織学的評価を行った後、神経障害性疼痛が発現した個体にはNetrin-1の発現が変化しているか免疫組織学的に評価する。 眼窩下神経結紮により疼痛が発現した個体にvon Frey filamentを用いて機械的疼痛刺激を与えた5分後に深麻酔下で灌流固定を行い、脳を取り出し凍結切片を作成する。抗Netrin-1抗体を用いてVcおよびC1-C2における発現の有無をその発現変化について検討する。 2)免疫組織学的にNetrin-1に発現変化を認めた場合、さらに遺伝子発現の定量解析を行う。 3)次いでラットへの抗Netrin-1抗体の投与による疼痛回避行動の変化や免疫組織学的な変化について検討を行う。
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Causes of Carryover |
研究計画よりも遅れており、今年度行う予定だった実験を次年度行う予定である。 物品費に700000円(ラットの購入費、抗体や追加の実験器具等の購入費)、旅費80000円(学会発表に伴う)、その他100000円ほど使用予定である。
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