2021 Fiscal Year Research-status Report
機能性モチーフ修飾自己組織化ペプチドハイドロゲルによる歯周組織再生の基礎的研究
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21K21076
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Research Institution | Tokyo Dental College |
Principal Investigator |
松上 大亮 東京歯科大学, 歯学部, レジデント (00906381)
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Project Period (FY) |
2021-08-30 – 2023-03-31
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Keywords | 機能性モチーフ修飾自己組織化ペプチド / PRG / RADA16 |
Outline of Annual Research Achievements |
従来,歯周組織再生療法において使用されてきた生体由来材料は,感染リスク等の懸念もあり,より安全かつ効果的な合成材料が求められている。そこで,我々の研究グループでは,必須アミノ酸由来の合成ナノファイバーである自己組織化ペプチド(SAP)ハイドロゲルが歯周組織再生に及ぼす影響について検討を重ねてきた。これまで申請者は,機能性モチーフを修飾したSAPハイドロゲルが歯周組織治癒を促進させる効果について,形態学的,組織学的な観点から明らかにしてきた。しかし,機能性モチーフ修飾SAPハイドロゲルが細胞レベルや遺伝子発現にどのように影響を及ぼすか,また,機能性モチーフの付与が細胞とゲルの相互作用にどのように関与するかは明らかにされていない。本研究の目的は,機能性モチーフ修飾SAPハイドロゲルと歯根膜由来細胞および前骨芽細胞の接着メカニズムを解明し,細胞増殖・遊走および骨芽細胞分化に及ぼす影響を明らかにすることである。 2021年度はin vivoではラット上顎臼歯近心に歯周組織欠損モデルを作成し,組織切片作製を中心に行った。 in Vitroでは主に機能性モチーフのゲル内部への細胞遊走を中心に検討した。先行研究でのCLSMによるヒト歯根膜細胞の観察では機能性モチーフのゲル内部に細胞の侵入が認められたが,RADA16のゲル内部への侵入は認めておらず,本研究で使用したマウス前骨芽細胞でも同様の所見が認められた。 また,機能性モチーフ修飾SAPハイドロゲルであるPRG群は,RADA16群と比較し,細胞接着や細胞増殖,基質石灰化に関与する28種類の遺伝子発現量が多い傾向を認めた。以上の結果より,PRGの機能性モチーフが細胞遊走および分化に関与している可能性が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
PCR arrayの手技獲得およびラット上顎切歯から歯根膜細胞の採取ならびに培養手技の会得を中心に行っていたため,時間を要した。
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Strategy for Future Research Activity |
現在in vivoの組織サンプルは着実に増やしており,今後は免疫組織化学染色を中心に行っていく。in vitroではPCR arrayの結果をもとにリアルタイムPCRにて更なる遺伝子発現解析を行い,CLSMを用いて,細胞接着および血管新生への影響も検討していく。
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Causes of Carryover |
3月納品の物品が4月会計であったため。
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