2021 Fiscal Year Research-status Report
the development of bioactive titanium membrane
Project/Area Number |
21K21088
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
梅原 華子 広島大学, 病院(歯), 歯科診療医 (60911253)
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Project Period (FY) |
2021-08-30 – 2023-03-31
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Keywords | 骨再生 / チタンメンブレン / GBR / リン酸カルシウム |
Outline of Annual Research Achievements |
チタン薄膜上にアルカリ処理(5N水酸化ナトリウム溶液を用いた水熱処理)による生体活性性を付与し、さらに擬似体液に浸漬することで低結晶性Ca-P構造体を有した生体活性チタンメンブレンを作成した。in vitroにおいて低結晶性Ca-P構造体のCa放出能を確認するために、生理食塩水およびα-Memに浸漬し、経時的にCaイオン濃度を測定した。結果、生理食塩水においてCa-P溶出速度は浸漬開始初期で高く、その後低下していくことを確認した。しかしα-Mem浸漬においては、ある時点で溶出が止まり、溶液中のCaイオン濃度が一定になった。 次に細胞によるCaイオンの利用がある場合を想定し、低結晶性Ca-P構造体を有する生体活性チタンメンブレンが及ぼす影響の検討を開始した。まず初めに低結晶性Ca-P構造体を有する生体活性チタンメンブレン上での細胞培養を試みた。MC3T3-E1を、低結晶性Ca-P構造体を有する生体活性チタンメンブレン上に播種し、14日間メンブレン上での細胞培養が可能であることを確認した。その後、コントロールとして未処理のチタンメンブレン、アルカリ処理による生体活性チタンメンブレン、低結晶性Ca-P構造体を有した生体活性チタンメンブレンの3種類を用いて、培養7、5、3、0日における細胞増殖能の確認を行った。培養3日目においては低結晶性Ca-P構造体を有する生体活性チタン薄膜が他2群よりも高い数値を示したが、培養5日目以降は細胞がコンフルエントに達し、全ての群で大きな差異を認めなかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
機器の不具合により細胞培養が一時安定せず、状態の改善に時間を有した。また、薄膜構造状チタンの上での細胞培養が困難であり、手技の均一化を試行錯誤する時間を必要とした。
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Strategy for Future Research Activity |
低結晶性Ca-P構造体を有する生体活性チタンメンブレンの表面性状および表面組成をSEMおよびEPMAを用いて明らかにする。 RT-PCRやウェスタンブロットを用いて遺伝子・タンパクレベルでの実験を行い、低結晶性Ca-P構造体を有する生体活性チタンメンブレンの骨形成促進作用をin vitroにおいてさらに検討していく。 in vivoにおいては、雌性SDラットの卵巣摘出を行い、90日間低カルシウム飼料を摂取させ骨代謝が低下した骨粗鬆症モデルラットを作成する。骨訴訟モデルラット頭蓋骨に作成した骨欠損を用いてチタンメンブレンおよび低結晶性Ca-P構造体を有する生体活性チタンメンブレンでの骨形成能を評価する。
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Causes of Carryover |
今年度末時点で、新たな試薬や機器を購入する必要がある実験段階に無く、また残高で購入可能な必需品が年度末時点では無かったため。 使用計画 実験試薬および設備に¥600,000,動物および動物に用いる試薬および飼育費に¥500,000,学会発表時の旅費に¥160,000,論文修正および投稿費用に¥300,000を予定している。
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