2022 Fiscal Year Annual Research Report
the development of bioactive titanium membrane
Project/Area Number |
21K21088
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
梅原 華子 広島大学, 病院(歯), 助教 (60911253)
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Project Period (FY) |
2021-08-30 – 2023-03-31
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Keywords | 骨再生 / チタンメンブレン / GBR / リン酸カルシウム |
Outline of Annual Research Achievements |
最終年度では,主として低結晶性Ca-Pメンブレンの生体内における骨再生優位性の検討を行った。低結晶性Ca-Pメンブレンおよび水酸化Naにより生体活性処理した生体活性メンブレンの比較を雄性SDラットを用いて行った。各メンブレン埋入後4週での評価を行ったが,新生骨面積率および骨メンブレン接触率を算出したところ,有意差を認めなかった。骨欠損部中央における骨新生の有無を比較すると,未処理のメンブレンに比べ生体活性メンブレンおよび低結晶性Ca-Pメンブレンでは骨新生が認められる数が多かったが,有意差は認めなかった。 またそれと並行して骨粗鬆症モデルラットの作成を試みた。まず卵管結紮によるモデル作成を試みたが,期待した結果が得られず、ステロイドの定期的投与による骨粗鬆症ラットの作成に切り替えた。しかしコントロール群との体重差が大きくなりすぎるため,創傷治癒の一端である骨再生を評価するには適切でないと判断した。 前年度に低結晶性Ca-Pメンブレンが低Ca環境下においてはCaイオンを徐放し,高Ca環境下ではCaのリザーバーとなること,また骨芽細胞様細胞の細胞増殖において, 生体活性メンブレンおよび低結晶性Ca-Pメンブレンで同等の効果が得られることを明らかにした。 低結晶性Ca-Pは,低Ca環境下で血清中への溶出が早いことが利点と考えられるが,健常モデルの動物においては,創傷部においてCaのリザーバーとして働き,有意差が出なかったことが考えられる。今回骨粗鬆モデルの作成方法として手技習得が予定通りに行かず,実験実施が停滞してしまったが,骨粗鬆症モデルのように骨密度が低下している状況における骨欠損に対しては,治癒初期の一時的Ca濃度の上昇により骨形成能が改善される見込みがあると考える。
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