2022 Fiscal Year Annual Research Report
アメロジェニンとテプレノンの相乗的治癒促進効果の機序の解明と応用
Project/Area Number |
21K21089
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
大和 寛明 九州大学, 歯学研究院, 共同研究員 (50906336)
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Project Period (FY) |
2021-08-30 – 2023-03-31
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Keywords | アメロジェニン / テプレノン / GRP78 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究はアメロジェニン・GRP78複合体が免疫応答や創傷治癒等に与える影響、およびそこに至るまでの分子メカニズムを解明するため、複合体の構造解析により複合体の核内移行の機序や生理的機能を解明することと、またGRP78を誘導するテプレノンにより、人為的にこの複合体の活性増強が可能かを検証することを目的としている。これらの結果をもって、テプレノンとアメロジェニンの複合投与による新しい歯周組織再生療法を開発すると共に、歯髄の再生に応用可能か否かについて研究の展開を図る。 現在までの研究成果は以下の通りである。 テプレノンのみで刺激した群とテプレノン+アメロジェニン複合刺激群でのhPDLCの上昇発現遺伝子を比較するために、再びマイクロアレイ解析を行なった。その結果、22種類の遺伝子が抽出され、血管新生活性を示すことで知られるサイトカインIL-8, MCP-1, IL-6に着目した。ELISAにて検証したところ、アメロジェニン刺激後30~42時間では、アメロジェニン単独刺激でもサイトカインの分泌の亢進を認めたが、複合刺激群でさらなる分泌亢進を認めた。次に、これら因子が実際に管腔形成に関わるかを検討しましたところ、テプレノンとアメロジェニンの複合刺激群で最も顕著にHUVECの管腔形成能を促進させた。さらに、培養上清にAreg、IL-8、MCP-1、IL-6に対する中和抗体を添加したところ、血管新生は完全ではないが有意に抑制された。 したがって、テプレノンとアメロジェニンの複合作用は、歯周組織創傷治癒に適した環境を作り出し、歯周組織再生のための新たな治療法の開発を促進させることが期待される。
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[Journal Article] Extracellular vesicles derived from GMSCs stimulated with TNF-α and IFN-α promote M2 macrophage polarization via enhanced CD73 and CD5L expression.2022
Author(s)
Watanabe Y, Fukuda T, Hayashi C, Nakao Y, Toyoda M, Kawakami K, Shinjo T, Iwashita M, Yamato H, Yotsumoto K, Taketomi T, Uchiumi T, Sanui T, Nishimura F.
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Journal Title
Sci Rep
Volume: 12(1)
Pages: 13344
DOI
Peer Reviewed / Open Access