2021 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
21K21098
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Research Institution | Tokyo Medical University |
Principal Investigator |
山川 樹 東京医科大学, 医学部, 助教 (40911615)
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Project Period (FY) |
2021-08-30 – 2023-03-31
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Keywords | 歯髄幹細胞培養 / 培養上清回収 |
Outline of Annual Research Achievements |
骨欠損疾患は、患者にとって機能的、整容的、精神的苦痛を与え、その治療は焦眉の課題である。従来、骨欠損に対して、自家骨や人工材料などの治療法が選択されてきたが、採取による外科的侵襲、倫理的観点など多くの課題を抱えている。これらの顎骨欠損に対して、寛容系幹細胞を用いた研究が盛んに行われていおり、応募者はマウス脛骨骨折モデルにおいて移植したヒト歯髄幹細胞が骨折治癒を促進させたことを報告した。しかし、骨折治癒過程で移植した歯髄幹細胞が生体内でどのような作用機序を経て治癒を促進したのか?という課題が残された。そこで本研究では、移植したヒト歯髄幹細胞の骨折治癒における生体内での作用(MOA;Mode of Action )を解明すべく、ヒト歯髄幹細胞の骨折治癒に関連するサイトカインを網羅的に解析し、keyとなるサイトカインXを導き出し、MOAを明らかにすることを目的として、研究は遂行した。 マウス脛骨骨折モデルにて移植したヒト歯髄幹細胞の骨折治癒における生体内での作用(MOA;Mode of Action )を解明の研究に際して、まず,研究実験計画のⅠの「ヒト歯髄幹細胞のサイトカインxの検出」では、現在、ヒト歯髄幹細胞の培養を行い、ヒト歯髄幹細胞からの上清を回収している。今後、ヒト歯髄幹細胞上清サンプルのサイトカインを網羅的マイクロアレイ解析を業者に依頼する予定である。検出されたサイトカインから骨分化・骨芽細胞増殖に関与する優位なサイトカイン抽出して、検証し、さらにELSAにて定量化し客観評価する。 次に、研究実験計画Ⅱの「ヒト歯髄幹細移植による放出サイトカインXの生体内での解析」は予備実験をしている段階で、今後実施予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
現在のコロナ情勢で、東京と茨城の往来の懸念や実験物品の品薄や入荷困難の現状もあり、研究遂行が遅れてしまった。 また、モデルマウスを用いた歯髄幹細胞移植のLaser Microdissection法による組織回収の予備実験で検証に時間を要した。
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Strategy for Future Research Activity |
細胞上清のサンプルは回収しているため、今後サイトカインアレイ解析を遂行する予定である。 今後マウスモデルを用いた実験も同時に遂行予定である。
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Causes of Carryover |
コロナ下の影響で、物品の品薄や到着の遅延、購入が困難で実験が遅れてしまった。 in vivoの実験に関しては予備実験中であり、実験動物の購入が遅れてしまった。 当該年度繰越分は、次年度に当該年度分も併せた実験動物の購入費、培養に必要な消耗品やサンプル解析のための試薬購入費として使用を計画している。
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