2021 Fiscal Year Research-status Report
癌特異的カベオラ異常を介した予後不良因子GPRC5Bの新たな機能解明
Project/Area Number |
21K21101
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Research Institution | Kanagawa Dental College |
Principal Investigator |
金森 慶亮 神奈川歯科大学, 歯学部, 助教 (70911296)
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Project Period (FY) |
2021-08-30 – 2023-03-31
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Keywords | 頭頸部扁平上皮癌 / 癌の糖代謝 / GPRC5B / 癌特異的カベオラ異常 |
Outline of Annual Research Achievements |
以前我々は、糖尿病原因遺伝子であるGPRC5Bの発現量が、担がん患者の生命予後を左右すること、頭頸部扁平上皮癌細胞において低栄養環境で生存させる機能を持つことを明らかにしている。GPRC5Bは細胞内外の情報伝達を行う重要な場所、カベオラに局在しているが、近年がんにおけるカベオラは機能異常を伴い、細胞膜での正常な情報伝達がなされていないことが明らかとなった。本研究で証明すべき問い「なぜグルコース存在下で機能を発揮するGPRC5Bが、がん細胞ではグルコースが存在せずとも機能するのか」を明らかにするため、がん細胞におけるGPRC5Bの局在を解明することが最優先事項である。 GPRC5Bに対する既存の抗体は特異性が低く、信頼できるデータが得られない可能性があったため、蛍光タンパク質GFPを付与した発現ベクターを作成し、細胞に遺伝子導入することで対応することとした。GPRC5B発現ベクターに関しては、我々が以前の研究で既に作成済みであるので、着手は容易であると考える。当該年度に入り、当研究施設内の培養設備(インキュベータ)が経年劣化により破損、一時的に細胞培養が不可能となった。現在、新規インキュベータの導入が完了し、改めて研究対象とする細胞株を培養開始、安定化している状況である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当該年度に入り、当研究施設内の培養設備(インキュベータ)が経年劣化により破損、一時的に細胞培養が不可能となった。所属施設の対応は迅速なものであったが、コロナ禍によるフリーザーや検査機器等の生産需要の急増から、当施設への新規導入が大幅に遅れたことも、進捗状況が遅れる要因となった。現在は、新規インキュベータの導入が完了し、改めて研究対象とする細胞株を培養開始、安定化している状況である。
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Strategy for Future Research Activity |
GPRC5Bに対する既存の抗体は特異性が低く、信頼できるデータが得られない可能性があったが、以前作成したGPRC5B強制発現ベクターをもとに、C末端に蛍光タンパク質GFPを付与した発現ベクターを作成し、細胞に遺伝子導入することで対応する予定である。発現ベクターは以前の研究で既に作成済みであり、材料もすでに揃っているため、進捗状況の改善は容易であると考える。
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Causes of Carryover |
当該年度に入り、当研究施設内の培養設備(インキュベータ)が経年劣化により破損、一時的に細胞培養が不可能となった。所属施設の対応は迅速なものであったが、コロナ禍によるフリーザーや検査機器等の生産需要の急増から、当施設への新規導入が大幅に遅れたことも、進捗状況が遅れる要因となった。現在は、新規インキュベータの導入が完了し、改めて研究対象とする細胞株を培養開始、安定化している状況である。また、当研究室の冷凍庫(フリーザー)が老朽化に伴い保温が不安定となっている。研究試薬や培養細胞の品質管理の維持が最優先であるため、今年度は新規フリーザーの導入を検討している。購入予定であったエレクトロポレーターは、リポフェクタミンを用いた遺伝子導入で対応することとする。また、分子細胞学的試薬、細胞培養試薬等は研究期間中に頻繁に使用するため、購入予定である。
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